第一部
出会い編
第四話 幸村、初めての遭遇の巻
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せたと同時にバチバチッと音がしたと思うと、物凄い轟音とともに俺の頭上を何かが通り過ぎていった。それは大量の光だった。
暫くして、光が止むと魔理沙殿が駆け寄ってきた。
「大丈夫か、幸村!?」
「俺は大丈夫だったが、先ほどの光は……?」
「その説明は後だ、後ろを見な。」
俺は立ち上がって魔理沙殿の言うとおりに後ろを向くと、二人の少女が目を回しながら倒れていた。
「女子が何故?」
「さっき幸村を襲っていた犯人だよ。まぁ、襲ったというより悪戯した犯人だな。」
「な、なんと!」
まだ十歳近くの女子が俺を襲っていたとは……
「……ん? 魔理沙殿、あの空色の女子の背中に何かがついているようだが……?」
よく見るとそこには、氷の結晶で作られたようなモノが女子の背中に生えている。
「あぁ、アイツはチルノ。ここいらに住んでいる妖精だよ。」
「よ、ようせい?」
「で、その隣にいるのはルーミアだぜ。」
「ま、魔理沙殿。ようせいとは一体なんなのだ? 妖怪とは違うのか? それに先ほどの光は何なのだ!?」
「順番に話すからちょっと落ち着け。先ず、妖精って言うのは自然から発生するもので、自然が無くならない限り不滅、つまり何度でも蘇るんだ。でも、逆に自然が無くなると妖精も消えてしまうんだ。」
「つまり……自然と一緒に過ごしている存在、という見解でいいのか?」
「まぁそんなもんだな。それと、妖精は大の悪戯好きさ。あ、ルーミアは本物の妖怪だぜ。」
「なるほど。では、先ほどの光は?」
「それはこれのおかげだぜ。」
すると魔理沙殿は八角形の物体を取り出した。
「これはミニ八卦炉”っていう俺の宝物だぜ。これで撃ったんだ。」
「これが…?」
見た様子、そんな凄い物には見えないのだが……
「これを撃つときは精神を集中させ、優しく八卦炉に呪文をかける。にっくきターゲットを狙って放つのは恋の魔法! それがさっき放った光さ。」
「よく分からなかったが、何となく分かったぞ!」
「それどっちだよ……」
すると”ちるの“と呼ばれた妖精が先に起き上がった。
「う〜〜、思いっきりやられた〜。何だよ何だよ、ただ悪戯しただけなのにスペルカード撃ってくんなよ!」
「悪戯してきたチルノとルーミアが悪いぜ。」
「むぅ〜! って誰だこいつ?」
「自分が悪戯していた奴を忘れんなよ……」
小声で魔理沙殿が何かを呟き、妖精ちるのが俺を指さしてきた。
「某、真田源治郎幸村と申す。」
「??? 名前……どれ?」
「幸村、言い忘れていたけど妖精ってだいたいバカなやつらが殆どだぜ。」
「魔理沙! バカって言うな!」
「じゃあ一足す一は?」
「二だよ、そこまでバカじゃないもん!」
「じゃあ五引く三は?」
「………………………………二?」
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