第一部
出会い編
第四話 幸村、初めての遭遇の巻
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幸村サイドイン
俺は今、首に手ぬぐいを掛けて動きやすい服装をしている。
先日、霊夢から条件付きで神社の周りへ外出することが許された。どうやら魔理沙殿が説得してくれたみたいだが…なぜ霊夢殿は顔を赤くされていたのだろうか?
それは兎も角、その条件と言うのが…
「なぁ幸村〜、朝早くないか?」
「何を言うか魔理沙殿。俺にとって、これくらいの早起きは当たり前ですぞ!」
「それは幸村視点からだろ〜。まだ明け方だぜ?」
そう魔理沙殿の監視付きだ。俺が外出する日時を魔理沙殿に伝えて、その時間帯に魔理沙殿が来るまで待機。彼女と合流したら外出できる。尚、行先は必ず霊夢殿に伝えることだ。
細かく決められたが霊夢殿曰く、『幸村が妖怪に襲われても対応できない可能性があるじゃない。現に弾幕や武器が無い今の状態じゃ逃げることしかできないからよ。』とのことだ。
霊夢殿が心配してくださるのは有難いが、俺とて無駄に死線を潜り抜けてはおらん! といつもの俺なら言う所だが、確かに戦う術がない今の俺は妖怪からしてみれば只の赤子に過ぎぬ。
だから、自分一人でも対処できるような力が得られるまで、霊夢殿のいいつけを守ると決めたのだ。
「それでは魔理沙殿、一緒に参ろうぞ!」
「って俺は一緒に走らないからな…」
そう言って魔理沙殿は箒に跨り宙に浮いた。魔理沙殿曰く、まりょく”なるもので浮かんでいるらしい。俺にはさっぱりわからぬが……
「ところで幸村、今日はどこまで行くんだっけ?」
神社の階段を駆け下り、左右の道に分かれるところまで来たところで魔理沙殿が尋ねてきた。
「霊夢殿には霧の湖”と言うところまで行くと伝えてありもうす。」
「霧の湖か…なら右だな。」
「右か、わかった!」
「っていきなり走るな! って速っ!」
俺は右に向かって全速力で走る。久しぶりの走り込みに熱くなってきたぞ!
「うおおおおおおおおおおぉぉぉっ!熱血うぅぅぅうぅぅぅうううう!」
「ちょ、おま、速い! 速いって〜!」
俺の後ろを魔理沙殿が追いかける。が、そんなことは気にせず、嘗て(かつて)上田城付近で走り込んだ記憶を思い出す。
「(このように走れるとは…なんと楽しいことか!)」
「ま、待て〜! 速いって!」
「これくらい普通普通!」
「んなわけないだろ〜!」
半刻後…
「おお! ここが霧の湖”か! なんと美しい眺めだ!」
霧の湖とやらに着くと、そこは霧に覆われているが、朝日が差し込み幻想的な風景を生み出していた。
「ハァ…ハァ……ゆ、幸村…先行するなよ…霊夢に怒られるぞ…ヒィ……」
霧の湖に見とれていると、魔理沙殿がゆらゆらと揺れながらこっちにやってきた。
「? 魔理沙殿? 何故息が切れているのか? 箒に
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