第五十九話 ハロウィンの衣装その十
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「盛大にな」
「よし、それじゃあね」
「部活の前に」
「しっかし、本当に見事にな」
どうなったかとだ、美優は笑いつつ言った。
「皆動物になったな」
「変化ね」
それになったとだ、里香は美優に言い加えた。
「それになったわね」
「だよな、狐とかな」
「天狗も変化になるの?」
烏天狗になる景子がそのことを問うた。
「そっちに」
「ううん、本当は妖怪だけれど」
「そうよね、天狗はね」
「けれどね」
「烏天狗だからなのね」
「烏天狗は大天狗の部下で地位の低い天狗と考えられてるけれど」
「そうそう、そうなのよね」
天狗は山伏の服を着ている、修験道の服だ。このことから神道とも縁のある妖怪なので。それで景子も天狗についての知識があるのだ。
「それで烏天狗はどうも」
「烏がなったっていう見方も出来るわね」
「だからなのね」
「そう、私は烏天狗は変化だと思うの」
里香の見方ではだ。
「皆ね」
「それになるのね」
「そう、烏天狗もね」
「だから私達全員は変化なのね」
「妖怪変化はね」
それはなのだった、里香は今度は彼等の話になった。
「実際一緒に言われて近いのよね」
「けれど違うのね」
「厳密に言うとね」
そうなるとだ、里香は彩夏に話した。
「だからのよ」
「九尾の狐って変化か」
美優も言う。
「妖怪かも知れないけれどな」
「その辺りは近いから」
曖昧だともだ、里香は美優に優しい感じの笑顔で話した。
「まあ私もこだわってる様に見えるかも知れないけれど」
「実際はか」
「そんなにこだわってるつもりはないから」
妖怪や変化もだというのだ。
「一緒って思えばね」
「いいのね」
「そう、まあ流石に幽霊と妖怪は違うと思うけれど」
「幽霊は魂だからね」
景子はこのことははっきりと言い切った。
「魂が身体から出たものが幽霊よ」
「それだけ?」
「そう、それだけよ」
景子はそのはっきりとした口調で琴乃にも言い切った。
「このことは知り合いのお坊さんに教えてもらったけれど」
「仏教のなのね」
「そう、そっちのね」
そちらの宗教の考えだというのだ、尚神道と仏教は違う宗教だ。日本ではかなり同一化しているふしもあるが。
「だから生霊も死霊もね」
「人間なのね」
「それで妖怪より怖いから」
このことは真顔で話した景子だった、強張った顔で。
「普通身体から魂が出るって相当なことでしょ」
「生霊のことね」
「そう、死霊も死んでもこの世に残ってるってことだから」
「だからなのね」
「そう、どっちにしてもね」
生霊も死霊もどちらもだというのだ。
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