第五十九話 ハロウィンの衣装その九
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「送り犬も演劇部の舞台だと尻尾が二本だったわよね」
「そうよね」
「やっぱり化け犬だからなのね」
「そうみたいね」
「妖怪になると尻尾が増えるのかしらね」
「あれっ、けれど私は」
狸になる彩夏が言って来た。
「別にね」
「尻尾一本よね、狸は」
「そうよ、一本よ」
彩夏もこう里香に返す。
「変化だけれどね」
「それでもよね」
「この辺りはそれぞれみたいね」
「そうね。まあ狸はね」
自分がなるそれについて話す彩夏だった。
「尻尾が多いと何か違うわよね」
「そうそう、狸で尻尾が多いっていうのは聞いたことがないわ」
景子も言う。
「それはね」
「そこはそれぞれなのかしら」
「そうじゃないかしら」
「ううん、同じイヌ科だけれど」
彩夏は里香と美優を見て言った、狐も狸もイヌ科だからだ。
「そこは違っていて」
「そういえば彩夏ちゃんがなる狸って何なの?」
琴乃はこのことが気になって言った。
「狸っていっても色々だけれど」
「団三郎狸みたいよ」
また里香がここで話す。
「どうやらね」
「ああ、四国の」
「そう、四国の狸達の総大将ね」
妖力を持っている狸の中でも最も有名な狸である。まさに四国だjけでなく日本の狸達の総大将と言っていい存在である。
「それみたいよ」
「ううん、何か大物ね」
「そうみたいね。それにしてもうちの演劇部って」 100
里香は首を傾げさせて述べた。
「妖怪好きよね」
「衣装も多いし」
「そうみたいね」
「確かに幽霊が出て来る演劇って多いけれど」
それでもだというのだ。
「ここまで多いってね」
「ちょっとないわよね」
「他の衣装も多いけれど」
「うちの学園は怪談話も多いからかしら」
里香はそこに理由を求めた、この学園の演劇で妖怪や幽霊ものが多いのは。
「それでかしら」
「うちの学園での舞台って妖怪ものが多いのね」
「それで服もね」
それもだった。
「多いのね、妖怪や幽霊が」
「そうみたいね」
琴乃も里香のその言葉に頷く。
「そうなるのね」
「そうかもね、ただそれにしても」
「こうした服もね」
それもだった。
「多いのね」
「そうみたいね、じゃあ後は」
全て決まった、それからはというと。
リーダーとして美優が四人にこう言った。
「衣装部屋に行こうな、今日の部活の前に」
「それで服を貰って」
「後はね」
「ハロウィンライブやろうな」
その本番をだというのだ。
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