第一物語・後半-日来独立編-
第六十九章 竜神《1》
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り、現実空間で幾ら弱まった神であろうと戦うことは一苦労だ。まともに戦い勝てるかどうか。
それに今は戦う場合ではない。
いち早く竜神から奏鳴の内部流魔を取り出し、本人に戻して身体を回復させ、暴走を止めさせなければならない。
長々と戦っている時間はありはしない。
「あっちから来るぞ。気を付けろよ」
二人に告げ、迫る竜神の迫力に圧倒されながらも冷静に判断する。
わざわざ彼方から接近してきてくれたのだ。タイミングを見計らえれば、どうにか身体に張り付くことが出来るかもしれない。
セーランの読みを呼んだか、竜神は接近しながら竜口砲|《ドラゴンブレス》を放つ準備を行った。
地上を狙った、上空からの竜口砲。
例え回避出来たとしても、下にいる者達の被害が考えられた。何も考えずに回避の選択を取った場合、余計な犠牲が生まれる。
竜神が何故ここまで襲ってくるのか、現時点では誰にも明確な答えを出せずにいた。
ただ、宿り主を解放させようとした黄森の長に仕返すため。またそれを邪魔するものに対して攻撃しているとしか言いようがない。
ゆえにセーランは考えるのを止め、竜神との戦いに集中した。
竜口砲は明らかにセーランを狙ってはいるが、もし避けてしまうと地上に被害が及んでしまう。そうはさせないため流魔操作を行い、範囲数十メートルの円形の盾を複数枚創り出し、重ね合わせることで地上を守る。
「避けろ! 地上は盾で守られてる。竜口砲を放つ瞬間、それ以外の動作は行えない。その隙に距離を縮めろ!」
「了解した。清継は左側から接近、右は任せろ」
「了解。各自のご武運をお祈りします」
繁真は右側、清継は左側を担当することとなり、回避の行動を取ると同時に移動した。
宙に足場となる映画面を表示し、上手く上に着地する。連続して同じ動作を行い、まるで宙を自由に走っているかのように錯覚させる。
同じくして回避を取るセーランの近くを、球状の竜口砲が通り過ぎた。
後から来た風に揺らされながらも、流魔線を上手く駆使し、足場のために表示した映画面に流魔線を繋げてぶら下がる状態で宙に留まった。
ぶら下がっている状態で、竜口砲が創り出した複数枚の盾が重なり合った部分に直撃したのを確認した。
鼓膜を破くような爆発音が空気を震わせ、衝撃で強さを証明した。
竜口砲を防ぐ盾にひびが入る。しかし割れることはない。
球状のため単発な攻撃なために、攻撃の衝撃は一瞬だ。もし放射状の竜口砲ならば、新たに盾を追加しなければ防げなかっただろう。
防げたことを確認し、即座にセーランは移動を開始した。
前より近くに見える竜神。
先行した黄森の女子学勢二人の内、黒髪の女子学勢が腰に下げている鞘から妖刀を抜いたのを見た。
一度見たことのある妖刀だ。
ある
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