第一物語・後半-日来独立編-
第六十九章 竜神《1》
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も無しにってのは頂けない。どういうつもりだい、天桜指揮官』
他にも素直に指示を聞いてくれない者はいる。
彼方も央信の指示に賛同し、付いてきてくれた者達だ。
自分よりもやはり央信が発言した方が、こういうことは無いのだろうと考えてしまう。
説明を求めているならば聞かせる他無い。
「長が竜神に狙われている。更には体調もあまり優れていない。竜神を倒した後に再び宿り主となった宇天長を相手にするのは不可能と判断した。
それでもなお戦うのならば、長の意思を無視したものと思え」
学勢が指示を出していることが気に食わないのか、舌を打つ音が聴こえてくるも反論は無かった。
しかしながら最後の一文が効いたのだろう。
『『了解』』
と返事を返して次々と表示されたいた映画面が消えていき、塞ぐようにして表示された映画面が無くなったことにより見えた清継に日来の長。
様子を伺うように向けられた日来の長の視線を感じ、結果を報告することにする。
「聞き入れてくれたみたいだ」
「ご苦労さん。これであっちのことは心配しなくて済みそうだ」
「だがまだ自分達の心配は無くなってはいない。――やるぞ」
セーラン、清継は頷く。
お互い敵同士だが、狙いは竜神であることが協力体勢を生む結果となった。
まだ互いが理解し合うには時間が掛かりそうだと思いながら、セーランは止まっていた自身の身体を動かし始める。
足場となった映画面から下り、重力に引っ張られ落ちていく。次に流魔線を数百メートルは離れた竜神へと繋げた。
「全艦に告ぐ、今すぐ砲撃を止めろ。いいか、今すぐに砲撃を止めろ」
繁真が再び映画面を通じ、竜神へ砲撃を放つ黄森の戦闘艦に命令する。
何を考えているのかと言いたそうに、戦闘艦を指揮する各艦長は唸り声に似た声を発する。
それを次の声で吹き飛ばした。
「しろと言っている!」
声を張り、説明も無しに意思を通す。
今の状況で説明している暇は無い。それくらいは彼方も解っている。
しばしの間。
返答は無かったが、砲撃が止んだことから察するに了承してくれたのだろう。ならば次にやることに移ることとする。
日来の長は竜神に流魔線を繋げ、ぶら下がっている状態だ。暴れる竜神であっても流魔線を上手く繋ぎ、竜神との距離を詰める下準備を行う。
宿り主であるものの、覇王会会長の地位にいることから実力は本物に違いない。
思いつつ映画面を消す繁真はセーランの方を向き、砲撃が来ないことを告げる。
「砲撃の方は大丈夫だ。早々に取り掛かるぞ」
「なら行きますか」
繋げた流魔線を縮ませ、開いていた距離を閉じていった。
接近するセーランに気付いたのか、竜口砲を放とうとした竜神はそれを止め、狙いをセーランへと変えた。
さすがに宿り主であ
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