自称王と他称王
五話
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を持とうとデバイスショップに行ったことがある。ただ、年々増加するミッド式や近代ベルカ式に比べ、真正古代ベルカ式は衰退する傾向にあり、ショップを見回ったが扱っている所があまり無かった。漸く見つけた所でも身体資質に合った物の見積もりを出してもらったが、パーツの殆んどがオーダーメイドの一品物で、目が飛び出るかと思うくらいに高額だった。そこから更に微調整やらで値段が追加されたので、アレクはデバイス所持を断念した。
なのでデバイスをくれると聞いても、アレクは簡単に飛び付く気になれない。一応一人暮らしをしているので尚更に。貰える物は貰う主義でも、見知らぬ人からの高額な物は遠慮したかった。
だが、デバイスを貰ったヴィヴィオには金銭感覚が無く、手伝い感覚で言っているのでアレクが断る理由が分からない。それに、今迄の話を聞く限りやはりアレクも何処かの血統かもしれない、と察がついていたので、何か力になりたかった。
「あ〜、ちょっといいか?」
見兼ねたノーヴェが一端切る。二人の話がデバイス作成と明後日の方へ行き始めた事もあるが、少し気になることが出来た。
今迄のアレクなら何かと逃げようとして、正面から向き合って話もしようとしなかった。
だが、今回も最初は逃げようとしたが、此方の質問には答えていて通信を切ろうとはしていない。アインハルトに関する事でも、奇怪な言動は変わらないが逃げる様な素振りは見受けられなかった。
「アレク、お前はアインハルトと戦う気があるのか?」
『その積もりっす』
あまりに何時も通りの口調なのでノーヴェは判断に困ったが、何故気が変わった等の追及はしなかった。下手に突いて逃げられた方が厄介だからだ。
「何時戻ってくるんだ?」
『ん〜来週頭には戻れるペース……かなぁ?』
「じゃあ試合日は来週末でいいな?」
『たぶん問題無いっす』
「アインハルトにも伝えるぞ?」
『うい、お願いしやす。……あ、姐さん達は来るんすか?』
「ああ、間違い無く来ると思う。何か不味いなら席を外させるけど?」
『いえいえ、大丈夫っす。是非お越し下さいと言うついでに、姐さんには帰った時に是非殴らないで下さいと言っといてくださぁい』
「……まあ、一応言っとく」
確約とまでは到底行かないが此処まで言うなら信じてもいいかな、とノーヴェは一応信用することにした。何処で何をしてるかは気になるが、それは帰ってきた時に聞けばいいだろう。ただ、学校をサボっているので、帰った後にティアナから説教されるかもしれないが、その事は黙っておこう。
兎に角、ノーヴェは訊く事は訊いたと一歩引くと、ヴィヴィオが待ってましたと画面に食い付いた。
「アレクさん!」
『これは録画された映像であり、この発言の後、自動通信切断羅刹機アルクオフの気分で遮断
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