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銀河英雄伝説〜生まれ変わりのアレス〜
決戦6
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 結局は敵が一枚上であったのだろう。
 あるいは何らかの力で、ラインハルトは守られているのかもしれない。

 馬鹿馬鹿しい。
 浮かんだ考えを、アレスは首を振って消した。
 彼ら生き残った事は、奇跡などという漠然としたものではなく、彼自身の判断力と、そして、ヘルダーの捨て身があってこそだ。
 ラインハルトも、そして彼も、自らの力で行動し、そして失敗すれば死ぬ。

 みれば、ようやく到着した赤髪の少年がラインハルトに言葉をかけている。
 人影がようやく認識できる距離。
 しかし、アレスはラインハルトと確かに視線を交わした。

 遠目からもはっきりとわかる英雄の気配。
 その英雄は今回を糧にしてさらに大きくなるだろう。
 やがて、巨大に成長した彼は帝国を、そして同盟を食らう。
「大変だな」

 肩を叩いたバセットが驚いて目を開き、そして微笑んだ。
「いえ。少尉と共に戦うことに大変な事などありません」

 目を輝かせる姿に、アレスは苦笑を深めて、歩き始めた。


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