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『八神はやて』は舞い降りた
第3章 聖剣の影で蠢くもの
第26話 誇り高き狼
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へと前向きに吐きだされることで、木場祐斗自身も、理性を保つことに成功したようだ。
 おかげで、原作よりも数段上の実力をつけた木場祐斗は、ゼノヴィアに勝利したのだ。


(本来の歴史なら、木場祐斗は、敗れて暴走する定めだった。原作との乖離を一度、整理する必要がありそうだ)


 オカルト研究部の部室に挨拶にきた二人は、任務の説明と同時に、不干渉を要求した。
 それだけなら、よかった。
 紫藤イリナとゼノヴィアは、アーシア・アルジェントの話を知っており、『悪魔のような聖女は、とうとう悪魔になったのか』などと侮辱した。


「ゼノヴィアも落ち着きなさい。私たちの非礼が発端だったのは事実よ。それに、彼らとの協力は、本部からも許可を受けているわ」

「わかっている。わかっているが――あいつは、『わたしたちの聖剣を破壊した』のだぞ!?」


 グレモリー眷属は、怒りをあらわにし、険悪な雰囲気になったところで、『相応しい実力があるのか見せてみろ』と、たまたま同席していたシグナムが挑発。
 運動場で、戦闘が行われ――目出度く、木場祐斗が勝利した。
 ボクは、面倒事を避けるため、その場にいなかった。
 そのため、詳しい経緯は、シグナムから聞いている。
 しかしながら、自信満々に勝負を挑み、なすすべもなく彼にやられたゼノヴィアは、へそを曲げてしまったらしい。
 紫藤イリナも、兵藤一誠と戦い、禁手化すらしていない彼に敗れていた。が、こちらは冷静に受け止めている。


「ゼノヴィアを倒した剣士はすごかったわ。けれど、イッセーくんにまで負けるなんて……」


 ここで、重要な差異がある。
 兵頭一誠は、洋服崩壊(ドレス・ブレイク)を開発していない。
 なぜなら、十分な実力があるために、開発する必要がなかったからだ。
 聖剣の使い手である紫藤イリナに、純粋な実力で上回って見せたのだ。


「ねえ。イッセーくんは、つい最近、神器に目覚めたばかりって本当なの?」

「本当さ。彼は、堕天使に殺されかけて、神器に目覚めたと同時に、転生悪魔になったそうだ」


 本来の歴史ならば、ライザー・フェニックスに敗れ、彼は結婚式に乱入していた。
 不利な状況で、彼は腕一本を犠牲にして、「はじめて」禁手化に成功する。
 結果的に、花嫁泥棒に成功し、リアス・グレモリーとの仲が深まる――はずだった。 
 ところが、彼は、アーシア・アルジェント救出時に禁手化していた。


(リアス・グレモリーは、もっと彼に積極的にモーションをかけると思っていたのだが。 いや、お互い意識しているのは、確かだ。と、なるとボクたちの介入の結果だろうな)


「素人が短期間であそこまで、強くなれるというのか?木場とは別の意味で脅威だな。それ
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