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dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第14話「アイリスの過去」
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は泣きそうな表情でクリスの背中に隠れる。
キリシマは表情を変えなかったが、左手に持っていた日本刀の鞘を強く握り締めた。
そんな視線を向けられたベリアルは、冷や汗をかいて押し黙った。
「あははは、皆そんな引かないでくれよ。ね?」
そう言うと、アルバートはいつもの穏やかな笑顔に戻った。
「アルバートさん、本気で怖えぇぇ………」
「どの悪魔よりも怖いわね、アルバートさんの眼……」
「アルバートさん………怖いよぉ………」
「さ、さあ、気を取り直して仕事の話をするよ」
すると、アルバートは大聖堂のテーブルからファイルに入れられた資料をそれぞれのペアに渡した。
「そのファイルの中に、目的地と討伐対象の情報が入ってる」
「それじゃ………行ってらっしゃい♪」
アルバートの言葉とともに、悪魔狩り達は大聖堂を出てそれぞれの目的地へ向かった。
大聖堂にいるのは、アルバートとベリアル、そして"フラン"の帰還を待つクリスだけになった。
クリスは2階で荷物の整理を始めていた。
「しかし……驚いたよ。俺が人間に恐怖を覚えるなんて………」
ベリアルの言葉に、アルバートは穏やかな笑顔で返事を返す。
「そう? まぁ、あの子が信じて連れてきたから、裏切るってのは許せないんだ」
「………………それほどに、あのアイリスって奴が大切なのか?」
ベリアルの質問に、アルバートはしばらく黙り込んだ。
「大切というか…………放っておけない、かな?」
「…………?」
「あの子、小さい頃に"悪魔の末裔"だって言われて、酷いことされたらしくてね………クリスがアイリス
をここに連れてきた時は驚いたよ………身体中傷だらけでね………」
「………………何があった?」
「アイリスの生まれた所はね………十字教の信仰が厚い場所だったんだ。それであの銀髪でしょ?
"神の敵"である悪魔の子だって呼ばれて、そこの神父に捕まって…………」
そこでアルバートは黙った。
そして、大聖堂のテーブルに置いてあった古い本をベリアルに見せた。
本には"悪魔の末裔とその歴史"と書かれていた。
アルバートはページをめくり、あるページで手を止めた。
そのページをゆっくりと音読し始めた。
"人間と悪魔は相容れない者同士だ"
"神を崇める人間は悪魔を嫌い、神を憎む悪魔は人間を嫌う"
"しかし、全ての人間と悪魔が同じ考えというわけではなかった"
"悪魔を崇める人間もいた………"
"人間を好いた悪魔もいた………"
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