第五十三話
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急だが、城楠学院の体育のやり方について話そうと思う。
二クラス合同、俺の所属する五組の場合は六組と合同になり、男女で別れての授業だ。
三クラス合同の学校もあるらしいが、まあ二クラスも珍しくはないと思う。
そして、今の時期・・・夏休みが終わってすぐのクソ熱い時期の体育といえばプールで、もちろんこの学校にもそのカリキュラムがある・・・女子限定だが。
そして、女子がプールで涼んでいる間、男子が何をしているかというと・・・蒸し暑い体育館での『体操』。
・・・俺が生徒会やってる間に、なんとかして男子にも『水泳』のカリキュラムを入れておきたいものだ・・・
そんな事を考えながら、教師がいないために風が吹いてくる出入り口で涼んでいたところ・・・三バカが、なんか馬鹿なことを言い始めた。
「間違っているとは思わないか、諸君!」
『オレ、実は巫女さん萌えなんだ』とか馬鹿なカミングアウトが多い名波が最初の発言者だったと思う。
意外にもリーダーシップに富んでいるために、危険人物だ。人数を率いて何をしでかすか分かったもんじゃない。
「格差社会・・・今一度、この言葉の意味を考えようではないか、同士諸君!我々が今置かれているのは煉獄だ。男ばかりが集まり、潤いも彩りも存在しない、灰色の荒野にも似た世界だ。この状況を甘受していいのか!?否。断じて否だ!」
そういえば、こんな蒸し暑い空間では水分量も減ってくるし、判断力も鈍ってくるよな・・・
そんな事を考えながら、先ほど平均台から落ちて骨折した同級生を見た際に出した、運よく小さかった酒樽を傾け、隠れて水分補給をする。
中身が一切減らないから、こういうときは便利だ。それに、俺酔いづらいし。
・・・つっても、結局はアルコールを分解するために水分を使うから、後でちゃんと水分補給しとかないと。
「もしこの場が荒野であるならば、唯一、野望を実行に移すもののみが荒野を制することが出来る」
この辺りから、いやな予感はしてきている。
だが、むしろだからこそ監視しておいた方がいいだろう。俺、一応生徒会だし。
「名波・・・お前が言いたいのは、つまりアレか?」
そして、名波の言葉に乗ってきたのは高木だ。剣道部所属、という武道をやっている身のはずなのに、三バカの一人だ。
「オレたちは今こそ、天国へ向かうべきだと」
天国、ねえ・・・ここ何年かで数え切れないくらい死んでるけど、一回も行ったことないな。
よく分からない空間にはいったはずだけど。覚えてないし。
「はぁ・・・さて、あのバカどもは無視して、あっちを考えるか・・・」
今問題になってる神様。
情報が多すぎて全く見当がつかない。
「いっそ、俺の目の前に来
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