第五十三話
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だな」
「そうか・・・今の名前は?」
「父さんが付けてくれた。可笑しい名前だろ?でも、俺は結構気に入ってる」
武双。双つの、武。
何を思ってこの名前をつけたのかは、俺は知らない。
俺が二つの槍を使っているのを見てなのかもしれないけど、本人に聞かない限りは分からない。
「・・・さて、これで話は終わり。そんな過去があったから、できる限りでいいから、菜ポートしてくれよ」
「サポートって言うと?」
「学校で、閉所に一人で閉じ込められることがないようにして欲しい」
家族も気を配ってくれてるんだけど、男じゃないと辛いところもあるだろう。
そう言う意味では、同じカンピオーネで俺を止められる可能性の高い護堂に知っておいて貰えると、色々助かりそうだ。
「・・・分かった。俺に出来る限りでやる」
「おう、頼んだ。・・・さて、と!」
俺は勢いよく立ち上がり、用具庫についている小さな窓を見る。
「さっさとここを出て、あのバカどもを止めにいくか」
「ああ・・・って、出れるのか?」
「ま、何とかなるだろ」
俺はそう言いながら、槍を一本召喚する。
「・・・って、まさか壊す気じゃ」
「ないない。それは最後の手段だ。・・・我は造る」
そう言いながらバリボリと槍を食べる俺を、護堂は信じられないものを見る目で見てきた。
それを気にせず、イメージした形の棒を作って、それを窓の鍵に引っ掛けて少し引っ張ると、
「よし、外れた」
「・・・うまいもんだな」
「そうじゃねえよ。しっかりと引っかかる形を、作っただけだ。・・・我は造る」
再び食べて、梯子を作る。
金属の量の都合であまり長くはならなかったが、一番上まで上ってから跳べば、窓から出ることは出来るだろう。
俺と護堂はそのまま窓から出て、プールに向かって走る。
走って・・・途中で壊れてきた木造の旧校舎と、その中から聞こえてくる悲鳴に、足を止めた。
「・・・オイ、護堂。とりあえず、オマエんとこの三人に話を聞いてきてくれるか?」
「あ、ああ。分かった。武双は?」
「そうだな・・・」
そう言いながらプールの方を見ると、アテとマリーがこちらを見ている。
身振りでたずねると知らないと帰ってきたので、じゃあいいや、とプールの中に戻ってもらった。
「とりあえず、あの中のバカどもと話をしてくるよ」
「分かった。瓦礫をどかすとかなら、手伝うからな」
「その時は呼ぶよ」
俺はそう言って、瓦礫の山に近づいていった。
中に埋もれているやつらを助けずに話を聞いた結果・・・とりあえず、今回の件に参加した奴等、合計十五人全員を、二週間の停学。
旧校舎の件については老朽化が進んでいたが、封鎖していた場所に勝手
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