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少年と女神の物語
第五十三話
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ず、事故にあった親二人の親に、連絡をした。
 すると、どちらからも勘当した、預かるはずがない、そう言われて、今度こそ、上司も動いてくれたそうだ。

 父のほうはただの一般人だったのだが、母の方は魔術に関わる家系だった。
 それゆえに圧力がかかって調べることが出来なかったらしいが、さすがに今度は許可が下りた。
 そして家を調べられ・・・俺が、保護された。
 あの時は、本当に死を覚悟した。



◇◆◇◆◇



「と、そんな感じでな。狭い場所に一人でいると、あのころのことを思い出してダメなんだよ」
「・・・それで、その後は?」
「・・・ある程度回復してから、今の両親が病室に来た。親戚の誰も引き取る気がなかったから、俺がどうなるのか分からなかったときにな。で、俺の目の前に来て、母さんがこう言ったんだ」

『あなた、私達の家族にならない?』

「正直、呆然としたよ。だって、急に病室に来た人が、そんな事を言ったんだぜ?ただでさえ誰にも引き取られない、ってことが分かってたから、なおさらな」
「まあ、だろうな」

 これくらいは、経験がなくても予想がつくはずだ。

「俺が答えられないでいたら、母さんは優しく笑いかけてからすぐに病室を出て行ったんだよ。父さんだけは、そのまま残ってたけど」
「・・・それで、武双とお父さんはどうしてたんだ?」
「・・・普通に、話をしてた」



◇◆◇◆◇



「あー・・・悪いな。柚実はああいうやつなんだよ」
「柚実さん、というんですか。えっと・・・」
「ああ、俺は隆哉。神代隆哉だ」

 今思えば、俺が初めて聞いた人の名前は、あの二人だったんだと思う。

「・・・えっと、」
「悪いな。俺は、こういうときに何を話せばいいのか分からないんだ」

 見た目どおりだ、そう思った。
 真面目そうで、こういうことが苦手そうで・・・優しそうだ、そう思った。

「とりあえず、君の名前を教えてくれるか?」
「あの、その・・・名前、知らないんです」

 そう言うと、今度こそどうしようか悩んで・・・

「・・・その、聞いても、いいですか?」
「ああ、いいぞ」

 俺は困った顔で何を話そうか悩んでいるのを見て、気付いたら話題を振ってた。

「さっき、柚実さんが言ってたのは・・・」
「あー・・・そうだな。急にあんなことを言われたら、そりゃ戸惑うよな」

 そう言いながら父さんは椅子を引っ張ってきて、座って話を始めた。

「とりあえず、そのままの意味だよ。俺と柚実の息子にならないか?」
「・・・はい?」

 まず、理解できなかった。
 母さんならあの性格だし、よく分からないことを言ってきてもおかしくないだろうと思った。
 でも、父さんが
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