暁 〜小説投稿サイト〜
とある物語の傍観者だった者
4話:不幸少年
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音を発してはやつらを追跡しだした。あとはスキルアウトに突撃するなり、搭載されているカメラで写真を撮っては警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)に映像を送ったり、通報してくれるだろう。これで一件落着である。

「ふっ」

 そして、このドヤ顔である……

「いや、ふっ…じゃありませんのよ? また悪巧みですの?近簿さん」

「オレがいつ230万人を人質にして学園理事会から金を巻き上げようと計画したか!!」

「まあ、そんなこと考えていらっしゃるんですの??」

「白井黒子ちゃん、世の中にはこんなことわざがある。ヤられるまえにヤれ、だ」

「ちゃん付けはよしてくださいの。それと、それは諺でもなければ、いつもヤられているのは貴方の方じゃありませんの??」

 まぁそうだけども。

 それにしても悪巧みとは人聞きが悪い。

 いつの間にかオレの横に立ってた、その少女は呆れた顔をオレに向け失礼にもため息までつかれた。

 相手は中学生だ。大人なオレは心が広いから許す!!

 常盤台中学という名門校にしてお嬢様学校に通う白井黒子ちゃん。彼女は街の治安を守る風紀委員(ジャッジメント)にも所属して、さらにレベル4の空間移動(テレポート)の能力者だったり、知り合いだったりするわけだが。いや、ほんと顔見知り程度。

 でも、彼女はオレが能力を使うことに、その使い方に問題があると、いつも注意してくるめんどくさい子なのである。いや、逮捕されることもしばしあったかな……

「近簿さん、いつも注意しているように清掃ロボットをつまらない目的で運用しないでくださいませ。あれは貴方の私物じゃありませんのよ」

「わ、わかってるって……でも、友達がアンチスキルに追っかけられているのを遠くの方で見かけたんだ。だから許せ。寧ろ、車とかその他を利用しなかったんだからセーフだろ」

「貴方が能力を使用した時点でアウトですの。なので、ブタ箱行きになりたくなかったら、これから反省文と始末書を書いてもらいますので第117支部まで行きましょうか」

「……そんなバカな」

 顔は笑っているけど目が笑ってないよ、この子。

 つーか、オレが能力を使用した時点でアウトとか初耳でなんですけど!?そして、自分が書く始末書をオレに押し付けるつもりだ!!

 白井黒子ちゃん、恐ろしい子。

「ちょっと黒子、何がどうなってんのよ? この人と知り合いなの??」

 オレたちの一連のやり取りを静観していた少女が訊ねてきた。

 白井黒子ちゃんの連れで、あまり会いたくなかったビリビリ少女。カワイイんだけどなー、そういう問題じゃないんだよー……

「えぇ、お姉様。ちょっとした顔見知り程度の犯罪者ですの。どうかお気をなさらずに」
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