暁 〜小説投稿サイト〜
もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
お前らに本物のスパロボチート見せてやる・中編
[1/6]
[8]
前話
前書き
[1]
次
最後
[2]
次話
ティーダ・ランスターにとってスカラ・グランセニックは同僚であり、同期であり、年上であり、非常識であり、しかし頼りになる男だ。
少しばかり赤みがかった茶髪の長身と妙にマイペースな言動。執務官志願で生真面目な性格だったティーダにとって、比較的授業態度の悪い方であるスカラはあまり好ましい存在ではなかった。寮内でのルームメイトになった時もこの男とやっていけるのか不安だったし、正直彼ののんびりした所は傍から見るとだらけているようにしか見えなくて好きになれなかった。
だが、スカラはそんな見た目とは裏腹に凄まじい才能の持ち主だった。
魔力ランクSSSの空戦魔導師という数十年に一人レベルの逸材で、解析不能のレアスキルまで所有するまさに才能の塊。趣味でやっているというデバイス弄りの腕もデバイスマスター級。座学も本人のやる気がないだけで、その気になれば満点に近かった。
嫉妬しなかったかと言えば嘘になる。今だってそう言う感情を抱いてない訳じゃない。
でも、スカラには恐ろしく欲が無かった。管理局に入ろうとしたのも単純に就職に辿り着くまでの時間が一番短かったからで、最初の彼は海と陸の部署の関係すら理解できていなかった。挙句の果てに「面倒だからお前が俺の進路を決めろ」とまで言った日には流石に怒って説教した。
しかも自堕落なくせして実技では単独、集団行動共にすこぶる優秀で、彼の援護が失敗した所をティーダは一度も見たことが無い。それ所か魔力運用やバトルスタイルはスカラのアドバイスで向上していた節さえある。指揮官、兵士、教官の一人3役をこなし、頼まれれば大抵のことは手伝ってくれるスカラはいつしか士官学校の兄貴分になっていた。
ティーダたちと同期の皆は、彼のおかげで今も第一線で活躍し続けていると言っても過言ではない。あの世代の卒業生は士官学校の歴代でも最高の平均点を保持していたし、ドロップアウトした奴も誰一人いなかった。皆が口には出さずとも、スカラのおかげだと心のどこかで思っている。
そんな自堕落な彼が突如奇行に走りだしたのが、共に陸の部隊に配属になった時だった。
「す、スカラさん・・・何ですかそれ?」
「何って、バイク型デバイス。カートリッジの術式改変してバッテリーに組み込んだんだよ」
それはもうデバイスの企画に収まっていない、と叫びたかった。
デバイスは杖型が基本だ。現に局内で支給されているデバイスの8割以上が杖であり、ティーダの持つ拳銃型のように杖以外のデバイスは珍しい。が、どんなデバイスでも携帯性などを考慮して歩兵用のサイズにするのが普通だ。それをこの男、バイクを直接改造してデバイスにでっち上げてしまった。改造は違法ギリギリだが、これでも辛うじてデバイスで企画が通るのが恐ろしい。
結論から言おう。このバイク、クッソ強かった。
[8]
前話
前書き
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ