MR編
百三十四話 神速の剣戟
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立っていた。しかしアスナには悪いが、此処まで観戦していたリョウやキリトは既に、結果にある程度の予測を付けていた。
現時点で絶剣のヒットポイントはイエロー。アスナはレッドだ。
そしてアスナのOSSはあの五連撃で終了だが、あの驚異的な十連撃を繰り出した絶剣のOSSは、もし噂が本当であるならば、もう一撃が発生する可能性がある。
そして、その予想に違わず、再び引き絞られた絶剣の剣には、未だ紫色の光が灯って居た。
「見事」
「あぁ」
感嘆するように、あるいは達観したように、二人の男が言った。そうして一気に突き出された絶剣の剣は──
──アスナに命中する寸前で、その剣尖をぴたりと止めた。
「んん?」
「おっ?」
発生したソードスキルを、プレイヤーが強制的に止めた事で発生した余波によって、周囲に立つ背の低い草花が大きく揺れる中、男二人が上げた疑問の声。をぶち抜くように、高く、可愛らしい声が響く。
「うーん、すっごく良いね!!お姉さんに決ーめた!!!」
────
剣を止めた少女は、呆然とするアスナと周囲の全てをそっちのけに、突然マシンガンのようにアスナに話しかけだした。
その顔は本当に嬉しそうで、まるでずっと追い求め続けて来たレアアイテムをようやく見つけた時のよう……等と思ってしまうのは観察している男二人がゲーマーだからか……
「ようやく見つけたよ!ぴぴっと来る人!!ね、お姉さん、今から時間大丈夫?」
「え?う、うん……まだ、平気だけど……」
「じゃ、ちょっとボクに付き合って!!」
「え……えぇ!?」
その少女はそう言うが早いが突然アスナの腕をがっちりつかむと、羽を展開し、空中に浮かびあがる。
腕を引かれたアスナも慌てて背に翅を展開させるが、その表情と瞳は当然と言うべきか、困惑と疑問の光を強く示している。
しかしそんな事はお構いなしな様子の絶剣は輝くように微笑むと、一機に身を翻してアスナの手を引いたまま急上昇を開始した。
「ち、ちょっとアスナ!何処行くのよ〜!」
リズの声に反応したように、アスナが振り向く。彼女の視線の先には当然ながら彼女と同じく困惑と疑問に満ちた表情を浮かべた、リーファやユイ、シリカの姿がある。ただ、サチとキリトだけは、何故か意外そうな印象を持たない様子で穏やかに微笑んでおり、其れが何となくアスナを勇気づける。リョウは……アレは完全に面白がっている。
「あ、後で連絡する〜!」
困ったように笑いながらもそう仲間達に叫ぶ。直後絶剣が一気に加速し、アスナと彼女は、あっという間にリョウ達の視界から姿を消した。
「やれやれ……何だかおかしなことに巻き込まれたくせーなぁ。彼奴」
「ははは。まぁ、悪い奴には見えなかったしな……」
「っは、何だその知らん顔は。だいたい予想付
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