MR編
百三十四話 神速の剣戟
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ト君……」
「うん?」
「今度、ご飯作りに行っても良いかな?」
「え?あぁ、大歓迎だけど……」
満面の笑顔で言ったアスナに今一事情が呑み込めないままキリトは曖昧に頷き、どう言う訳か近いうちに桐ケ谷家の夕飯が豪華になる事が決まった。余談だが、隣で談笑しながら歩いて居たリーファ、シリカ、リズ、サチの四人は、キリトの無自覚発言辺りからサチ意外の全員がジト目に成る中、サチだけは終始困ったように微笑んでいたと言う。
と、そんな話をしている内に……
「えーと、次に対戦する人!いませんかー?」
人だかりの中心から、絶剣と呼ばれる少女の声が響いた。容姿に違わず高く可愛らしい声で、無邪気で明るい雰囲気を漂わせている其れは、そ手も67連勝の猛者とは思えない。アバターが女性だと言う事はつまりリアルも女性だと言うことだ。ただ本来年齢やリアルの容姿はアバターには影響しない。それでも話し方や仕草にアバターの容姿に合った幼さがあるのは、リアルでの彼女もまた、アバターの容姿に近い年齢であるからか。だとしたらますます驚きである。
「よしっ……行って来るね」
「おっ、気合い入ってんな」
「きっとキリトにああ言われたからよねん」
「も、もうリズ!!」
真面目な顔つきになって堂々と出て行こうとするアスナの背中を、リョウとリズが茶化すと、途端にアスナは顔を朱くして振り向き、腕をブンブンと振った。台無しである。
「もう、リズさん、からかっちゃだめですよ!」
「大事な試合なんだから!ほらリョウ兄ちゃんも黙ってて!」
そんな二人を、似た物同士な二人が諌める。苦笑しながら四人を見ていると、微笑みながらアスナを見ていたサチの肩の上のユイが、ブンブンと手を振った。
「ふふふ……頑張ってね?」
「ママ!頑張ってください!」
「うんっ!」
元気よく頷き、最期にキリトと目を合わせるお互いに頷き合った後で、アスナは大きく踏み出した。
────
「……やっぱり強いな」
「あぁ」
アスナと絶剣のデュエルが始まってから、一分が経過しようとしていた。
地上戦空中戦を選択させた絶剣に対し、アスナの希望で地上戦になったこの戦いだが、開始初撃の一合の打ち合いで、絶剣の強さを十分にアスナは知っただろう。
何せキリトを含むアスナの仲間の中でもトップクラスの疾さと正確さを持つアスナの二連突きを、“見て”叩き落としたのだ。しかも即座に、それ以上のスピードで斬り込みを返してきた。センスもさることながら、反応速度とVR慣れの錬度が半端ではないのである。
「……さてさて、我らが騎士姫さんはどう切り込むかね?」
「アスナももう通常技だけで決めに行ける相手じゃないって事には気が付いてる。SSを持ってくるしかないと思ってる筈だ」
「問題は、生半可に撃ってもふつー
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