MR編
百三十四話 神速の剣戟
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肌は、暗闇を好むと言う設定で有るインプの特徴である乳白色。紫がかった黒の長い髪は腰のあたりまで伸びていて、エナメル質のような光沢をもつ黒曜石の胸当てに、腰には同じ艶の有る黒の細く長い鞘。
地上に降り立った彼女は、左手スカートの端を片手でつまみ持ち上げながら、右手を胸に当てて芝居がかった動作で軽く一礼する。そうして途端に湧き上がった歓声に答えるように、今度は輝くような笑顔を浮かべながらブイサインを作った。
精悍な顔立ちをしているかと思っていたアスナのイメージに反して、その顔立ちはとても幼い。特にその大きな赤紫の瞳が本当に無邪気な光でキラキラと輝いて居て、強い印象を残す。
「へー」
「?どうした」
「え?あー、ううん。もうちょい強そうな人想像してたから……イメージと違うなぁって……」
苦笑しながら言ったアスナにリョウがふん。と息を吐いて言う。
「馬鹿お前、油断すんなよ?あー見えて」
「そ、そういう事じゃ無い無い!キリト君を負かしちゃう相手だもん。油断なんてできないよ!」
少し焦ったような調子で言うアスナに、リョウは肩をすくめた。
「なら結構。まぁキリトが負けたのは相手が顔の良い女だったからかも知れんが……」
「は?」
リョウの言葉にキリトが疑問の声を上げた瞬間、アスナの笑顔がキリトに向いた。
「キーリートくぅん?」
「いや!無いから!!ホントに本気でした!少なくとも途中からは……」
「あぁ、途中までは顔で手加減する気だった訳か」
「兄貴!!」
「キリトくんちょっとお話が有るんだけどね〜?」
いやー、アスナの笑顔が怖い。超怖い。
「もうっ、まぁそう言う冗談はリョウの何時もの手だから何も言わないけど……でも、ホントにイメージと違うなぁ……」
「まぁ、剣の腕って言うのは見た目で決まるもんじゃねぇからな」
肩をすくめたリョウに隣で、キリトがうんうんと頷く。
「世間的にはアスナがレイピアでスター・スプラッシュ撃ってるのも普通にイメージと違うと俺は思う」
「えー?そ、そうかな……」
自信なさげに髪をいじるアスナに、キリトは笑いながら言う。
「まぁ、そういうアスナも綺麗だしカッコいいから、俺は好きなんだけど……やっぱり、見た目で判断はできないよな」
「「…………」」
「……え?何?」
一人で納得したように何度か頷いて居たキリトが隣を見ると、其処に腕組んだままポカンとしたリョウと、何故か顔を赤くして俯くアスナが居た。訳が分からず首を捻るキリトに、リョウが唸りながら言う。
「いや……久々にそう言うの言ったなと思ってな……まぁ良いや」
「は?」
ある意味感心したようにそんな事を言ったリョウに、キリトが疑問の声を上げた瞬間に、今度は恥ずかしがる様な声でアスナが声をかけた。
「キリ
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