7:霧払いの令嬢
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とはね……」
「…………っ」
ハーラインに引き続いて、流石の麻のフードも少し驚いてる風に此方に向き直っている。俺はその姿に目の焦点を合わせた。
「どうだ、あんたも良ければ……俺達とパーティを組まないか?」
あまり褒められたものじゃないが、不本意ながら名づけられた二つ名の名声を借りて勧誘をかけてみる事にしよう。
「……………」
少し頭を伏せて考え込む素振りを見せ、すぐに顔を上げる。そして……
「あっ、おいっ?」
くるりと回れ右すると、彼は用は済んだと言わんばかりに足早に街中へ立ち去っていってしまった。
「……ケッ、最後まで気に障る野郎だったぜ。ま、同じパーティにならなくてせいせいしたけどな」
「うーむ、この花園に興味を示さないとは、心外だね」
既に早くも小さな姿になりつつある麻のチュニックの背中に、二人がそう言葉を投げかけた。
「……帰ってしまったようだな。さて、俺の話も終わったし、二人も一旦解散していいよ。長い間付き合わせて本当に済まなかった」
俺の謝罪の言葉にハーラインはにこやかに首を振った。
「いや、私は予想外の釣銭が帰ってきた気分だよ。君達との共闘、楽しみにしているよ」
「ここまで手間取らせたんだ。もう手ぶらじゃ帰れねぇよな。……死神だか何だか知らねぇが、誰にもユニコーンは渡さねぇ」
隣のデイドも、そう比較的色よい反応を返した。
「……ねぇキリト。なんか、すごい馴染んでる気がするんだけど……ホントにあの二人をパーティに入れて大丈夫なの?」
リズベットが俺の脇腹を肘で突っついてくる。
「俺がソロだったら、こんなことにはしなかったかもだけどな。リズ達が付いてくるんなら、この際戦力は多いに越したことは無いさ」
「ええー……」
「それもそうだけど……でも、容疑者だよー?」
アスナからも反対側から突っつかれる。
「だからさ。幸い、俺達を含めてもそこまで多過ぎないパーティ人数だ。容疑者を手元に置いておけば、犯人もこの人数や俺達の二つ名を警戒しておいそれと手は出せないだろうさ。それに、これ以上被害者が増える可能性は少しでも減らしておきたいんだ」
「ふーむ、なるほど」
それにアスナは手をポンと叩いた。
「抜け目ないね。てっきり、いつもの突飛な考え無しの行動かと思ってたよ。流石に見くびっちゃってたかも」
「あのな、俺はちゃんとこれでも……」
「やあやあ、両手に花だね、キリト君。よければ代わってくれないかね?」
と、ここでハーラインが手を広げつつ歩み寄ってくる。一旦積もる話が終わったのをいい事に、彼女らと遠慮無くスキンシップができると思っているのか、すごく活き活きとした笑顔をして
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