第二話 目覚める炎その十六
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このままでは首を両断される、しかしその一撃は。
薊は素早く屈んだ、それで攻撃をかわし。
今度は右脚で足払いを仕掛けた、今度はダメージに関係なかった。
怪人を転ばせることが出来た、そうして一旦後ろにステップし間合いを取ってだった。
棒を伸ばした、七つの節を上手に。そのうえで棒を蛇の様にしてだった。
あらためて構えて起き上がった怪人に襲い掛かる、今度は。
その棒で思いきり突きを出した、しかしその突きは怪人を狙ってはいなかった。
怪人の頭の左の空を突いた、そして。
その棒を右から左に振った、それで怪人の首を巻いてだった。
締めにかかる、そうして言うのだった。
「あたしの棒は叩く、突くだけじゃないんだよ」
「締めるのもあるのね」
「ああ、これも禁じ手だけれどさ」
あえてだ、それを使うというのだ。
「どうしてもって時にはさ、こっちの命がかかってる時には」
「使うのね」
「拳法は本来活人拳なんだよ」
己の心身を鍛え律していくものだというのだ。
「師匠も言ってたさ」
「それが本来よね」
「殺人拳は邪道なんだよ」
そう教えられてきたのだ、薊もまた。
「けれどな」
「こうした時はなのね」
「仕方ないからな」
こう裕香に言うのだった、怪人の首を締めながら。
「ここは」
「そもそもこの相手は」
「絶対に人間じゃねえな」
「ええ、どう見てもね」
薊も裕香もだった、このことは確信していた。
そのうえで相手の首を締めていく、だが。
ここでだ、怪人は七節棍の節の一つを鎌で掴んだ、鎌である筈だがその掴み方は器用で掌で掴んでいる場合と力は変わらない。
その力でだ、思いきり自分のところに引っ張り寄せてきた。すると。
薊は踏ん張った、だが。
怪人の力は強い、それでだった。
引き寄せられる、そして怪人の鎌が。
薊を襲った、今度はその胴を両断せんとする、裕香はそれを見て瞬時に叫んだ。
「薊ちゃん、危ないわ!」
「ああ、わかってるさ!」
薊もわかったいた、それで。
すぐにバク転の要領で後ろに跳んだ、その瞬間。
前に出ている怪人の顎にサマーソルトの要領で蹴りを入れた、その時だった。
足、蹴る右足に何かが宿った、それは。
「炎!?」
赤かった、それは。裕香はその赤いものを見て声をあげた。
「まさか」
「!?これは」
蹴りを放つ薊もだ、蹴りを放ちながらわかった。
それは炎だった、そして炎を宿らせた蹴りは。
怪人の顎を直撃した、その威力もこれまでとは違っていた。
怪人は顎を砕かれ後ろにのけぞった、そして薊はバク転の要領のまま着地してそうしてだった。
まだ怪人の首にかかっている七節棍を引っ張った、すると。
棒にも炎が宿り怪人を首から焼く、す
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