第二話 目覚める炎その十五
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「わかったな」
「えっ、それは」
「いいんだよ、命あってだからな」
「そんな、薊ちゃんを見捨てるとか」
「出来ないってか」
「そういうこと嫌いだから」
だからだとだ、裕香も言う。
「足手まといにはなりたくないけれど」
「じゃあ見ていてくれるか？」
「見て？」
「ああ、あたしの戦いを見守ってくれててくれよ」
そうしてくれというのだ、薊はこう言うのだった。
そしてだ、それに加えてだった、薊はさらに言うのだった。
「ただな、あたしが危なくなったらさ」
「その時は？」
「逃げてくれよ」
その時はというのだ。
「そういうことでな」
「わかったわ、それじゃあな」
こうした話をしてだ、そのうえでだった。
裕香は薊から少し離れた、そしてそこで見守ることにした。薊は両手に持っている七節棍を構えたまま敵を見据える。すると。
そのカマキリと人間を合わせた様な怪人はだ、音もなく前に出てだった。
両手の鎌で切りかかってきた、斜め上から来るその鎌を。
薊は七節棍で受けてだ、そのうえで。
左脚で回し蹴りを放った、それで怪人の右の脇を蹴った。
そこからだ、蹴った怪人の身体を足場の様にして。
身体を右から左に回した、そして右足を回転の要領で蹴りを放ってだった。
怪人の顔、目のところを右足の裏で蹴った。そうすると。
怪人は怯んだ、だがその怯みは一瞬のことだった。すぐに態勢を立て直してだった。
また攻撃を仕掛けて来る、それを見てだった。
薊は歯を苦々しげに噛み締めてこう言った。
「耐久力あるみてえだな」
「やっぱり人間の身体じゃないから」
「ああ、そうみたいだな」
自分の後ろにいる裕香にも返す。
「こいつはな」
「どうしたらいいかしら」
「とりあえずな」
後ろに一歩ステップで退いた、それで怪人の鎌をかわして言う。
「こっちはやられない様にしてな」
「速いわね」
「ああ、速いな」
敵の動きがだ、それがだった。
「これはな」
「そうね、大丈夫？」
「ちょっと大丈夫じゃねえな」
攻撃をフットワークと上半身の身のこなしでかわす、怪人は鎌しか使わない様でそれはかわせた。だがそれでもだった。
鎌の動きは速い、それで言うのだった。
「これはな」
「そうよね、このままだと」
「こっちのダメージはな」
今度は七節混紡を腹、みぞおちのところに突きで入れる。常人ならこれで下手をすれば命も失う。しかしその突きもだった。
効かない、一瞬怯んだだけだった。裕香はその怪人を見てまた薊に言った。
「これは」
「今のは禁じ手だったんだよ」
「みぞおちを武器で攻めることは」
「ああ、それこそな」
相手を殺す一撃だ、だからだ。
「殺す覚悟だったんだけれどな」
「けれど
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