TURN138 貴族達の終焉その八
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「まあ今お話しても仕方のないことですが」
「左様ですか」
「そうです、とにかくです」
「あの宙域のことがですか」
「遂にわかるのなら」
有り難いことだとだ、モンゴメリーは微笑んで日本に話した。
「戻られたなら是非ご報告を」
「わかりました、航宙日誌の他に探検記も書かせてもらいます」
こう話してだった、一行はマウマウ達に案内されて暗黒宙域に入ることになった、入るといきなり真っ暗闇になった。
東郷達は大和の中にいる、彼はその艦橋において言うのだった。
「レーダーは大丈夫か」
「いえ、これが」
士官の一人が東郷に難しい顔で答える。
「レーダーもソナーも」
「そうか」
「しかもです」
それにだというのだ。
「勿論宙図もありませんし」
「これでは前に進みにくいな」
「全くです、これでは」
「マウマウ嬢の案内がなければな」
「はい、とてもです」
進むことが出来ないというのだ。
「まさに秘境です」
「全くだな」
「マウマウノ後ニツイテコイ」
そのマウマウからの言葉だ、あの木造の船から言って来る。
「ハグレルナ」
「本当にここは何処かわからないですね」
日本も大和の艦橋にいる、そこで難しい顔になりそのうえでこう言うのだった。
「マウマウさんがおられないと本当にどう進んでいいかすらわかりません」
「後ろに退くことすら出来ませんね」
方角も一切わからない、それでだった。
秋山、彼も同行しているがその彼も言うのだった。
「方角が一切わからないですから」
「そうですね、恐ろしい場所です」
「あの別世界とはまた違った恐ろしさがあります」
こう日本に話す。
「この宙域は」
「しかしマウマウさんはよく行き先がわかりますね」
日本はこのことに疑問を感じて述べた。
「何も見えず何も聞こえないというのに」
「マウマウ達ハココニ住ンデイル」
そのマウマウからまた返事が来た。
「マウマウ達ニハ見エルシ聞コエル」
「この道がですか」
「ソウダ、マウマウ達ノ目ト耳ハ他ノ人間トハ違ウ」
こう言うのだ。
「ダカラワカルノダ」
「そうなのですね」
「安心シテツイテコイ」
またこう言うマウマウたった、そのうえで大和に乗っている一行を暗黒宙域の奥へと案内していく、その中で。
柴神は次第に険しい顔になった、そして言うのだった、
「嫌な予感がする」
「?何か感じられましたか」
「うむ、この予感は」
東郷に対して険しい顔で言うのだった。
「まさか
「まさかとは」
「あの世界の」
その顔はさらに険しくなっていく、そのうえで言っていき。
そしてだ、東郷達にこう言うのだった。
「下がった方がいいだろうか」
「戻るべきですか」
「そう思う、このまま進むと」
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