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ヘタリア大帝国
TURN138 貴族達の終焉その五

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「ではですね」
「まずは潜水艦艦隊の一斉雷撃だ」
 それを攻撃のはじまりとするというのだ。
「これを仕掛けてだ」
「それで、ですね」
「そうだ、一斉攻撃だ」
 完全包囲してそのうえでだというのだ。
「敵を殲滅するぞ」
「それでは」
 秋山は東郷の言葉に頷いた、そしてだった。
 最初に田中に指示を出した、田中はモニターにいる東郷に対して確かな声で返した。
「ああ、じゃあ今からな」
「やってくれるな」
「あんたはそこで見ていてくれよ」
 東郷には今もライバル意識を持っていた、そのうえでの言葉だ。
「俺がどう戦うのかをな」
「ああ、見せてもらおう」
 東郷も田中のその己へのライバル意識をあえて受けてみせた。
「御前の戦い方をな」
「じゃあな」
 田中も応える、そしてだった。
 隠れていた潜水艦艦隊が一斉に攻撃を浴びせた、無数の魚雷が突如として姿を表わし。
 そのうえで貴族軍の艦艇達を撃つ、艦艇が次々に爆発四散し派手な死の花火を戦場に飾る。
 突如として来た後方からの猛攻にだ、貴族達は狼狽し声をあげた。
「な、何だ!」
「また謎の攻撃か!」
 彼等は潜水艦すら知らない者も多い、それで言うのだった。
「後ろから魚雷だと!」
「一体誰だ!」
 その攻撃に狼狽する、しかも。
 前から艦載機、左右からビーム攻撃だ。この嵐の如き攻撃に彼等はさらに戸惑った。
 一秒ごとに破壊される艦艇は増えていく、三十分位すると。
 貴族軍の戦力は九割以上なくなっていた、それはまさに。
「消滅、ね」
「はい、そうですね」
 セーラが母に応える、二人は右翼にいる。
「もう彼等に戦力はないわ」
「では後は」
 もう勝敗は決した、それならだった。
「降伏勧告でしょうか」
「そうね、いい頃だと思うわ」
 こうしてだった、東郷はこのタイミングで降伏勧告を出した。するとここでだった。
 貴族達もそれを受けた、こうしてだった。
 ロンドンでの戦いは終わった、枢軸軍は損害を出すこともなく文字通り完全勝利でロンドンに入城した。この事態に。
 ロンドンに残っていた貴族達は狼狽した、それで言うのだった。
「ど、どうればいい?」
「まさか敗れるとは」
「枢軸軍はロンドンに入城したぞ」
「要所は押さえられていっている」
「これではだ」
「もう我々も」
「仕方がない」
 ここでだ、クロムウェルが言った。護国卿である彼が。
「ここは女王陛下に頭を下げるとしよう」
「そして、ですな」
「我々の身の安全を」
「そうだ、お願いしよう」
 つまり命乞いをするというのだ。
「その為には何もかもを出そう」
「権益をか」
「それも」
「全ては生きる為だ」
 その為だというのだ。
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