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ヘタリア大帝国
TURN138 貴族達の終焉その四
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 東郷は中央、機動部隊を退かせた。そうさせながら言うのだった。
「これはわかりやすいがな」
「ああ、一目瞭然だな」
「あからさま過ぎるあるぞ」
 アメリカと中国が東郷にモニターから言う。
「戦術の教科書にもあるぞ」
「古来より存在している戦術ある」
「ちょっと戦争を知っていれば誰も引っ掛からないと思うぞ」
「それこそ素人でない限りは、ある」
「そうだ、しかしその相手はだ」
 その彼はというと。
「貴族だ、完全な素人だ」
「だからか」
「あえてこの戦術あるか」
「まともな艦隊運営も出来ていない、それならな」
 それこそだというのだ。
「このあからさまな戦術もな」
「効果があるか」
「引っかかってくるあるな」
「ああ、間違いなくな」
 確実にだ、そうなるというのだ。
 実際に貴族達は吸い込まれる様に自軍を動かしてきた、そのうえで中央の退いた軍勢を追撃していた。
「追え!逃がすな!」
「この戦い、勝つぞ!」
「全軍で攻めるぞ!」
「数で押せ!」
「中央突破だ!」
 貴族達は口々に叫んで突進する、そして。 
 枢軸軍の布陣の中に入った、その彼等を見てだった。
 右翼にいるイギリスは呆れてこうロレンスに言った。
「おい、連中本当に知らねえみたいだな」
「はい、この戦術はあまりにも有名ですが」
「カンネーだからな」
 ローマとカルタゴの間で行われたポエニ戦争での会戦の一つだ、カルタゴの名将ハンニバルがローマ軍を殲滅した戦いだ。
「敵軍を引き込んで包囲殲滅したな」
「その戦術をそのまましているだけですが」
「あの戦いは有名だろ」
「あまりにも」
 それこそ軍人なら誰でも知っているものだ、当然ロレンスも。
「包囲殲滅の代表です」
「そうだよ、両翼の高速機動部隊での衝突はないけれどな」
 カンネーではそれがあった、それでカルタゴ軍の両翼がローマ軍の後方を囲んだのだ。
 だだ、だ。それでもだった。
「包囲されるのはわかるだろ、下手に前に出れば」
「はい、私もそう思いますが」
「本当に何も知らねえんだな、連中は」
「代々権益を貪るだけでしたから」
 知らないことも当然だった、それでだというのだ。
「知らないのも道理でしょう」
「よくそれで艦隊を率いるな、いや乗っているだけか」
「はい、ですから」
「造作もなく勝てるな」
「間違いなく」
「じゃあ後は東郷さんの采配に従うか」
 イギリスは勝利を確信しながらも自国の貴族達の腐敗をここでも見て苦い顔になっていた、そのうえでだった。
 東郷の采配に従うのだった、東郷はあくまで敵軍を引き込んでいく。
 陣形も変えていく、中央だけが退き。
 遂にだ、貴族軍が枢軸軍の半月型になった陣形の中に完全に入るとだった。
 ここでだ、東郷が
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