アリシゼーション編
episode2 そしてまた彼の世界へ
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「そう……僕は今の研究……フラクトライトこそが……それなのだと考えている……だが……」
そう言って呼白さんは、一つ、息をつく。
「……残念ながら……仮説の一つは否定された……フラクトライトには……生下時に個体差はほとんど認められない……そこに……遺伝の要素はなかった……しかし……」
「しかし?」
「同時に別の仮説が浮かんだ……フラクトライトが生下時に個体差がないのなら……その成長過程になんらかの法則があるのではないか……例えるなら……同じ刺激が与えられれば同じように育つ……それは同じ角度で日を浴びるにはもっとも効率の良い枝葉振りに木々がなるよう……人の脳の電気回路の形成を行うのではないか……そしてそのための刺激とは……同じフラクトライトによる『共鳴』なのではないか……」
「っ、っと……?」
「アンタは深く考えてもしょうがないわ。呼白もアンタが全部を理解できるだなんて期待してないから安心してなさい」
「はっは。そうそう、適材適所。ボクだってわからんさ。キミはそれらを理解する必要はない」
トリップしたように語り続ける呼白さんの頭を蒼夜さんがはたく。
その横で、玄路さんが楽しげに……心底楽しげに笑う。
だが、その笑みの裏で。
「キミに必要なのは、これだけだ。『君と共に過ごすことで、ソラちゃんは記憶を取り戻すかもしれない』。……キミの方だって、それだけで十分じゃないかい?」
彼は、俺を絡め取ってくる。
伊達に、四神守の後継ぎと目されていない。
「……確かに、そうです。俺に、それ以上の情報はいらない。俺がソラと一緒に過ごして、それでソラが自分を取り戻せるなら、それ以上に望むことなんてない……でも、それでも、教えてください。玄路さん、あなたは何を考えているんです? 俺にこれを伝えて、あなたになんの得が?」
「おやおやぁ? 予想外だねぇ、どうしたのかい? らしくない」
「……一応、もらえる情報はもらっておきたいんですよ、用心のために。いけませんか?」
しかし、俺もやられっぱなしでいるわけにはいかない。
俺が負けるのはいい、別にそこにこれっぽっちもプライドなんぞない。
それでも今回は、負けられない。そこに、ソラが掛かっているのだから。
だからたとえそれが「らしくなく」ても、それでもできる限りの用心をしておきたいのだ。
相変わらずに笑みのまま、玄路さんが俺を見据える。
「……まぁ、隠すほどでもないかねぇ。ボクは、キミを『四神守』の跡取り……いや、違うな、『裏の跡取り』に迎えたいと思っているのさ。……どうにもボクの子供たちは僕に似ずに正義感が強くてねぇ。……キミのように清濁併せ呑んでくれる人材がどうにも足りないのさ」
「はぁ……なる
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