第86話 少女は急展開するようです
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世界最大の独立学術都市国家よ。記憶が戻るまでは、安心してここに居なさい。」
「あ……ありがとう、ございます。」
保険医の先生の言葉に、思わず体が反応しますです。事件に巻き込まれた事を言い当てられたのもありますが、
何か・・・そう、"死神"。何か引っかかる言葉です。いつか、あちらの世界で聞いたような・・・?
「さて、いつまでもコレットの部屋に泊まってるのもアレでしょう。今日からは別の部屋を用意して――」
「いえ!大丈夫ですっ!ユエは私の部屋で引き受けます!」
「あらいいの?発見者と言うだけでそこまでする事は――「いいんです!私達友達になりましたから!
ユエの記憶が戻るまでは私が責任もって面倒を見ます!」
「そ、そう?エライわ、コレット!」
・・・冷や汗を流したコレットのゴリ押しで、またこれからもこの子の部屋にお泊りする事になりました。
そう、ですね。どうせ、記憶が戻るまではここに居るしかないのですし・・・。
「あの、学ぶ気のある者は誰でも受け入れると言ったですよね?
私の記憶が戻るまでの間、私もコレットさんと同じ魔法騎士団候補生の授業を受けられないでしょうか?」
「で、でもユエ、それは〜〜……。」
「ふむ……いいわ、OKよ!向学心旺盛な子はいつでも大歓迎よ!掛け合っておいてあげるわ。」
………
……
…
とまぁ、そんな経緯で授業を受けてはいましたが、実の所ここ二週間でほぼ必要と思える記憶を
思い出してはいるです。それと言うのも、ここが魔法世界で、この学校の授業が全て魔法に関係する物
だからです。
「以上の様に、南の古き民と北の新しき民は様々な確執を持っていた訳ではありますが、20年前の
『大分裂戦争』時点においても、全面戦争に至るほどの理由はどこにもなかったのであります。
全面戦争が両陣営にとって何ら益を齎さない事は、旧世界のここ百年の愚を見るまでもありません。」
・・・どうやら私は勉強好きであった様ですが、この歴史の授業――と言うかこの先生が嫌いです。
私の居た地球(此方では旧世界と言うようですが)の事を馬鹿にしたような態度を取る事が多いからです。
まぁ、教師としては優秀なようですが。
「この戦争には、世界を欺き両者を裏から操って私腹を肥やそうとした悪党達の姿があったのです。
両陣営の中枢にまで潜り込んでいた彼らは、不安と混乱を煽り、怒りと憎しみを醸成させ、戦火を拡大
させようとしました。その彼等こそ――」
――『完全なる世界』。この名は、この授業で数多く聞きます。
そして、この名は学園祭で聞いたのを覚えていますです
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