第五十一話
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「・・・最近、昼休みの活動が増えてませんか?」
「と言われましても。わざわざ放課後に集まるような案件もありませんし」
実際、重要な案件ではないのだろう。梅先輩からメールで貰った内容でも、書記さんが教室にきて伝えてくれた内容でも、弁当を持ってくるように言われたし。
何でわざわざ二回伝えたのだろうか・・・まあ、たまには親睦を深めましょう、と今更な理由ではあったが、言われて参加しないわけにもいかない。よって、今日初めて家族以外の人と一緒に昼食をとっている。
さすがに、アテとマリーには先に行くよう、理由も含めて話しておいた。
「で、梅先輩」
「武双君。校内ですよ」
「失礼しました。そして、会長も。校内ですよ」
「あ・・・すいません。つい癖で」
「ちょっとまったぁ!!」
と、そこで書記さんから待ったが入った。
「えっと・・・どうしました、書記さん?」
ここでいくつか説明しておくと、この生徒会にはいくつかのルールがある。
例えば、職務中はお互いのことを役職で呼び、学年は関係なく敬語を使う、というものだ。
それが理由で、俺はここにいる四人に対して敬語以外の喋り方をしたことがほとんどない。書記さんにいたっては、校外であったことがないため、敬語以外は使ったことがない。
「どうしました、じゃないですよ!何でお二人は名前で呼び合っているのですか!」
「えっと、ですから。夏休み中の癖が抜け切っていなくて・・・」
「そこじゃないです!何で下の名前なんですか!」
「・・・お互いに、自己紹介したときからこんな感じですけど・・・」
書記さんの迫力に、俺は事実をそのまま話した。
なんでだろう・・・女の人って、たまに神様より迫力を感じる・・・
「自己紹介したとき、って・・・」
「私と会計さんとは、生徒会に入る前からの知り合いなんです」
なぜか勝ち誇ったような顔で言う会長。
何この空間・・・
「それは知っています。中等部で既に生徒会長になったと伝説な会長の懐刀といわれている人ですから」
俺、そんなふうに呼ばれてるの・・・?
「問題はそこではなく、何故下の名前なのかです。苗字でも良いのではないですか?」
「会計さんが下の名前で呼んできたのに、こちらが苗字で呼ぶのもどうかと思いまして」
その瞬間に書記さんからすっごい怖い視線が送られてきた。
俺はつい他の二人に助けを求めるけど・・・
「・・・・・・・・・」
副会長は、我関せずと言った様子で一人黙々と弁当を食べ進めている。
「(オロオロオロオロ)」
庶務さんは、3分の2涙目でオロオロしていて、とても頼りにならない。
何、この空間・・・
「俺、人のことは下の名前で呼ぶ癖があるので
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