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深く、罪深い衝動
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 「当たり前だろうが!これぐらい気にするな」


 ・・・そうね。
 優しい人ね。


 「んじゃあ、食おうか」


 と、各自席に座り、スープを口にする。
 ・・・薄い。


 「薄いわね」


 「・・・ずいぶんとはっきりと、ものをいうんだな」


 「まあ、そんなものよ」

 
 まあ、ここまでされたら遠慮するのもあれだし。
 と、いうわけでもう遠慮するのはやめたわ。
 まあ、もとから遠慮なんてしないけど。


 「・・・」


 それと、先ほどから楽しそうに談笑する私たちを見て奥さんが私のほうをにらんでいる。
 ロズウェルトは気付いてないだろうけど、私は気付いている。


 ・・・まあ、私と同じにならないといいけどね。


 多分、あの事件の仕組みを知っているのは私だけ。
 なぜなら、アレを受けたのは私だけだから。


 ・・・でも、ロズウェルトなら気づいてくれる。
 もう、アレは大丈夫だろうけど、それでも他の誰かが受けているという可能性は十分にある。
 いや、ロズウェルト自身が受けているのかもしれない。
 ピークのときに最も長く私といたのはロズウェルト。
 つまり、絶対に受けているはずだ。
 なのに、なんで・・・?


 ・・・まあ、もう「終わり」なのだからいいか。


 多分もってあと14時間。
 それまでずっと・・・いや、やめましょう。


 「う・・・」


 「・・・?ロズミア、どうかしたのか?」


 「いや・・・ちょっと・・・気分が・・・」


 ッチ・・・。
 もう来たっていうの?
 ちょっと早すぎなんじゃないかしら?


 「ぐ・・・ご・・・ごめ・・・」


 そのまま、息が苦しくなり、床に倒れる。


 「おい、ロズミア!しっかりしろ!!」


 「だいじょ・・・だいじょうぶ・・・だから・・・」


 そのまま、立とうとするが、頭から倒れてしまう。


 「くそ!救急車だ!救急車を呼ぶんだ!」


 「え・・・ええ、わかったわ!」


 奥さんが走っていくが、多分直前まで電話しないんでしょうね。
 ・・・まあ、どのみち死んじゃうからいいんだけど。


 この感じだと毒かしら?
 ・・・せっかくなら青酸のほうで死にたかったわね。
 多分スープの中に入っていたんでしょうね。 


 「ロズウェル・・・ト・・・きい・・・て・・・」


 ・・・私が最後にできることなんてこれぐらいでしょうね。
 とりあえず、ヒントをあげる。


 「衝動・・・増やす・・・・・・」


 ・・・つらいだろうけど・・・頑張ってね。
 
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