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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第319話】
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に仮にやられたら、お前は俺以下のランクって事になるな」

「ふざけるなよガキが? Eランクのガキなんざぁ一分もかからねぇんだよ、雑魚が。 いきがるなよ、クソガキ」


 ガキガキと口汚く連呼する巻紙礼子――明らかにこれ迄の俺の言葉に苛立っているのがわかる――そして、止めの一言。


「んじゃ、有言実行してもらおうかな、そのおばさんにさ」

「……上等だ! その生意気な口、永久に閉ざしてやるぜ、クソガキ!!」


 ISを緊急展開し、呼び出すと同時にムラクモの声が聞こえてきた。


『ヒルト。 狭い場所だから天狼の使用には気をつけて?』

『……まあ更衣室だからな』


 短いやり取りの間に、巻紙礼子のスーツが引き裂かれ、背中から鋭利な爪が勢いよく飛び出した。

 その爪は、蜘蛛の脚に似ていて色も正直黄色と黒という配色センスを疑うような色――更に、爪と言っただけあって刃物のような先端を持ち、鈍く光を放った。


『……第二世代型。 ヒルト、あのISのコア……泣いてる……』

『泣いてる? ……どういう事だ?』

『うん。 ……多分、あの機体は何処かから――多分アメリカね、アメリカの基地から奪ったものだと思う。 ……ヒルトはこうして私とも話せるけど、他のコアは違うから……自分自身、望まずにあの女の人がマスターになって、もしかすると色々な悪事に自分の意思とは関係無く手を貸してるから泣いてるんだと思う。 ……ごめん、あまり上手に言えない……。 あの子の悲痛な叫びが、私には聞こえてきて――』


 ムラクモの声色が悲しみに満ちている。

 ……俺にはあの女のコアの声は聞こえないが、相当悲痛な泣き声なのかもしれない。


『……任せろよムラクモ?』

『ヒルト……?』

『……助ける――といえば変かもしれないが、奪われたものなら俺が取り返して見せるさ。 ――ちょっと荒っぽくなるがな』

『……うん! 助けてあげてね、【アラクネのコア】を……』


 ムラクモの声が聞こえなくなる――と同時に、目の前のISの詳細なデータがハイパーセンサーに映し出された。

 ――登録名【アラクネ】、装甲の材質が超甲質繊維装甲……。

 相変わらず何処の国も装甲材質が違うのはどうにかならないものか……。

 ……まあ今さらどうこう言っても変わらないがな、これが。

 まだ何処か納得していない一夏の表情がハイパーセンサーで鮮明に表示される――その一瞬、気をとられていると……。


「ハッ! 何を余所見してんだよ! くらえっ!!」


 展開され、背中から伸びた八つの装甲脚の先端が割れ、開いた中からは銃口を見せ――其処から弾丸がまるで豪雨の様に放たれた――。
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