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覇王と修羅王
自称王と他称王
四話
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めるべく覇気と魔導を酷使させた。その結果、暴発し、なんの資質も持たない両親はこの世を去った。
 現場へ一番に駆け付けたフェルヴィスは事故と処理させ、誰にも判らぬように隠蔽した。その後、覇気の扱いを修めさせるべく訓練漬けにさせ、アレクに罪の意識すら忘れさせた。
 魔法の方は編入させた魔法学院でイロハを学ばせてから、と思っていたのだが、アレクは魔導方面に苦手意識を持っていたようで、未だ著しくない。
 トラウマまでなっていないようだが、同時使用は避けたいようだ。
 だがアインハルトに徹底した拒絶態度をとらないあたり、踏み出す事を迷っているのではないか、とフェルヴィスは察する。

「だって、またやらかしちまったら……オッちゃんが面倒じゃん?」

 身体の成長と共にリンカーコアも成長し、魔力量も増加する。ならば次に暴発したらどうなるか、そしてまたフェルヴィスが処理に追われるのではないか、アレクの懸念はそこにある。
 だがフェルヴィスは鼻で笑う。

「ガキが俺の心配なんて十年早いんだよ」
「……そうすか」
「それに、今回は何が起きても大丈夫じゃねえか?」
「は? 何で?」
「お前、四年前に起きた大事件解決の中心部隊名は知ってるか?」
「え〜と、機動六課だっけ? なんかスゲー部隊だったみたいだけど、それが何?」
「今日の朝来たうち、此処のお世話にならなかった二名はその部隊の戦闘隊員だったらしいぞ」
「……は?」
「だからあの二人は居ればお前の暴走なんて軽くブッ飛ばせるんじゃねえか?」
「……はあ!?」

 俺の悩みはなんだったんだー!? とアレクはいきり立つが、五月蠅いとフェルヴィスに頭を掴まれ、強制的に座らせられる。
 悩みを解消できたのはいいが、他の問題は残っている。

「そういやお前、成績悪いが進級は出来たんだよな?」
「……うい、なんとか」
「進級祝い、欲しいか?」
「貰えるもんは貰う主義です。何くれんの?」
「覇気に関する魔導の扱い方をくれてやる」
「……そんな祝いは遠慮したいです」
「貰えるもんは貰う主義なんだろ? 男が二言を吐くな」
「うがー! 藪蛇ったー!!」

 対策は良いが、暴発など無いに越したことは無い。
 善は急げとフェルヴィスは、頭を抱えるアレクの首根っこを掴み、朝を同じように引き摺って行った。


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