アーチャーからの問い
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ーは訝しげな顔になった。
「あのな、いくらお前でも、俺は他人を苦しめるようなことはしたくない」
「………………そうか」
少しだけ驚いた表情になるアーチャー。そんなにも意外だったのか?疑問に思う俺を尻目にアーチャーはぼそりとつぶやく。
「………………私は貴様が苦しむのなら、歓迎するが」
「お前本当に捻くれてるよな!?」
この後しばらくの間俺とアーチャーの口論が続いた。俺が言い返すごとに何倍にもなってかえってくる。こいつに口では今だに勝てないことを改めて認識した。
その後ここでの戦闘経験は積んでおいたほうが良いためアリーナにいくことになった。
すぐさま直行と言いたいところでだけど、アリーナに入ってしまうとその日はもう学園には戻ってくることはできず、アリーナを出ると翌日まで何も出来なくなる。
買い物、情報収集など学園でしなければならないことは、アリーナに入る前に済まそうと思う。
この学園は地上3階立ての建物で地下一階には購買部があり、校舎の横には弓道場まである。
情報収集はすでに終わっているので、アリーナ散策に必要なものを買うために、真っ直ぐ購買部に向う。
その途中で思わぬ人物と出会った。
「ねえねえ衛宮くん、ちょっと先生のお願い、聞いてくれないかなー?」
「ふ、藤ねえ……」
俺の姉貴分である藤村大河がその人だ。分かっている。この藤村大河はNPCだ。つまり、今目の前にいる藤村大河は、俺の知っている藤ねえじゃない。聖杯よ、どうしてこうも俺と関わりのある人物ばかりをNPCに選ぶんだ?
「むー、駄目よ衛宮くん。いくら先生が好きでもその愛称は駄目だわ」
本物と変わらぬハイテンションで続ける藤ねえ。…………………NPCだよな?本物じゃなくて…………。
「それで実はね、私の愛用の竹刀が行方不明なのよ。用具室に置いといたら、アリーナに紛れ込んじゃったみたいで……。だから、アリーナから、竹刀を取ってきてほしいの、それで一回戦の間に渡してくれればいいわじゃあ、よろしくー」
そう言い、藤ねえは去っていった。俺の記憶にある通りの藤ねえだ。藤ねえはどこの世界でも変わらないな。
「うん?……竹刀? まさか、あれじゃあ……」
藤村大河愛用の竹刀といえば、アレしかない。 虎のストラップがつけられているので公式戦に出られなかったがつけていなければ藤ねえの名は全国に轟いたものといわせる虎竹刀。一説では、藤村組総出で封印したとか。
「……なあ、わざと忘れていい……よな?」
あれのことを知っているであろうアーチャーに尋ねる。あんなもの藤ねえに渡したら虎に翼だ。アーチャーは実体化すると何処か諦めたようにつぶやく。
「……フ、忘れたければ忘れるがいい。ただしその後
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