アーチャーからの問い
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ゃないんだ。あの二人を置いて俺だけが死に二人を悲しませることなんて俺にはできない。だが…………
『うん、しょうがないから俺が代わりになってやるよ。爺さんはオトナだからもう無理だけど、俺なら大丈夫だろ。まかせろって、爺さんの夢は――』
ある月夜に爺さんに語った誓い。
いつだって考えていること。あの日、あの縁側で交わした父と呼べる人との最後の約束。それを破る訳にはいかないがここでは、ただ死ぬのを受け入れるか、他者の命を犠牲にして生きるかの二択しかない
「どうする、衛宮士郎」
「……わからないでも俺は立ち止まってはいられない」
俯いて、そう答えるしかなかった。
ここで死ぬわけにはいかない。でも、他人を殺してまで生き延びていいのか?答えは出せないでいる。
…………………それでもただ立ち止まっていてはなにもかえることが出来ない。
「ほう………戦えないと言わないだけ成長したか」
そんな俺の様子をある程度予想していたのか、アーチャーはふぅ〜溜め息をついただけだった。そして、お互いに口を閉ざしてしまったためあたりが奇妙な静粛に包まれる。
「一つ聞くが衛宮士郎。体に不調はないか?」
意外にも先に口を開き静粛を破ったのはアーチャーだった。
「ん……ああ。記憶のこと以外は特に問題はない」
アーチャーが自分のことを聞いてくるということを怪訝に思いながらも、俺は素直に答える。
「それがどうかしたのか?」
「……いや。私が貴様と契約を結ぶのにあたって、一番の懸念は魔力の受け渡しだ」
「あっ!?」
そこでようやくアーチャーの質問の意図に気付いた。俺は元から魔力の量はそこまで多いわけではないうえに、セイバーと契約したとき、魔力の受け渡しが上手くいかず結果的にセイバーを苦しめていたのだ。
「だが、今のところそれは順調に行われている。魔力の量も十分だ」
「えっ?魔力の量が十分?」
「ああ、凛と契約していた時くらいのステータスがあるだろう。確認してみるがいい」
アーチャーの言う通りに、端末を操作し、ステータスの欄を開いてみると
筋力:D
耐久:C
敏捷:C
魔力:B
幸運:E
「…………………本当だ」
遠坂と契約していた時とステータスが変わらない。
「恐らく、貴様が凛とラインを繋いでいるため、凛の魔力が流れ込んで来ているのだろう。貴様も魔力量がへっぽこなりに聖杯戦争の時よりも増えているようだしな」
「そっか……………よかった」
どのような修業をしていたかは、あまり覚えていないが、魔力面で足を引っ張っていないことが確認出来きたのでよしとしておこう。ついでにへっぽこと言う部分は聞かなかったことにしてやる。胸を撫で下ろした俺を見て、アーチャ
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