暁 〜小説投稿サイト〜
少年と女神の物語
『五柱の毛玉』編
第五十話
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コナを殺した後で空港に迎えに行った子で、一番最近家族になった。小学五年生。
 持っているスペックが色々と規格外な上に、人間には到底出来ないと思っていたことを平然とやっている・・・いや、たくさんの犠牲を出しながらやられた(・・・・)子だ。
 まったく・・・こんな小さい子にやった、って事実はひたすら苛立つことだけど、それをやることの出来たクズどもの技術、それを受け入れることの出来た狐鳥の持つ異常な才能には、賞賛を送りたい。

「ん?その子、新しい子?」
「ああ。一番最近、うちに来た子だな」
「確か、恵那さんが最後に来てからだと・・・もう四人増えてるんじゃないかしら?マリー姉様には会ったことありましたっけ?」
「あるよー。そうか・・・そんなに増えたんだ・・・」
「そう、そんなに増えました」

 いつの間にかいたマリーが声を出して、全員を驚かせる。
 ほんとにいつの間にいたんだ・・・あの恵那ですら、驚いてるぞ・・・

「おはよう、武双お兄様。お味噌汁の匂いで起きてきました」
「普段寝坊派のマリーは、ついに匂いで起きてこられるようになったか」
「うん。だから、毎日武双お兄様がお味噌汁を作る、というのを提案してみたり・・・」
「却下で」

 俺がはっきり言うと、マリーは不満そうな顔でこちらに歩いてくる。
 そんなマリーの歩く様子には一切無理している様子がなく、俺はいつものことながら安心する。

「ん?いつも言ってるけど、足はもう大丈夫だよ?」
「といわれても、心配になっちまうんだよ」
「自分が権能で治したのに?」

 そう、マリーの足は権能・・・スクナビコナから簒奪した権能で治した。
 名前は、医薬の酒(メディシカル・アルコール)。使った瞬間に毎回違ったサイズの酒樽が出てきて、症状にあわせて中の酒を患部にかけたり飲んだりして、症状を治すことができる権能だ。
 発動条件として、治したいと思う傷、症状が目の前にあることが必要となってくるのだが・・・恐らく、俺に対して使う機会は少ないと思われる。
 なんせ、これによる回復も沈まぬ太陽(パーマネンス・レイ)を使っている間は打ち消されてしまい、戦闘中はそっちを使っていることが多いんだから。

「まあ、むしろ権能だから心配なんだよな。まだ何が起こるのかわからないし」
「まあ、大丈夫だと思うけどね」
「それなら、気にしないことにするか」
「といいつつ、明日になったらまた聞いてきそうな気配」

 うぐ、否定できない・・・

 その後、恵那も含めたメンバーで朝食を取り、そのまま各自の学校に向かった。

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