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Angel Beats! the after story
その手を伸ばせ
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中の話です。他学年のみなさんはあまり関わらないので、ゆりちゃんはモテモテなんですけどね」
ようやくわかった。かなでがなぜ俺に感謝をしているのかが…
「ここまで話したら、鈍感な音無さんにもわかりますよね」
「まぁな」
「おしゃべりはこの辺にしてチャチャと終わらせましょう」
かなではスピードを上げようと早足になる。
そうだよな。今は、あんな殺伐とした世界じゃない。あの世界での日常を体験していない人たちにはわからないゆりの優しさ。ゆりは自分から手を伸ばさない。自分から手を伸ばさない限り、ゆりはその手を掴まない。俺があの世界で学んだことだ。
*
「よっこいしょと」
「ふぅ〜疲れました〜」
「お疲れ」
倉庫までの距離が案外あったため、少し時間がかかってしまった。
「戻るか」
「そうですね」
かなでとしゃべりながらゆりのところに戻っていると。かすかに子供の泣く声が聞こえた。不意に背筋が寒くなる。
「かなで!先行ってる!」
「待ってください音無さん!」
「念のため、建物の中には入るな!少ししても帰ってこなかったら、警察を呼んでくれ!」
「ちょっ….」
かなでが止めようとしたが、何かが起こっていると確信するものがないが、ゆりのもとに全力で走る。これが杞憂で終わることを願いながら…
☆
いきなり、不審な人が包丁を持ち入ってきた。薬品か何かで正気ではないことは目を見てすぐわかった。そしてすぐに教室の隅に子供たちをまとめた。
子供たちが危ない。
そう思ったら身に覚えのない記憶が浮かんできた。
状況は多少異なるけど、その記憶は前に経験したような記憶があった。この時代じゃないどこかで……
ちがう点を挙げるとすれば、複数人ではない点。今目の前にいる相手は一人だった。数が少なくなっても、絶望的状況には変わらない。
突然の事態で子供たちは放心していたけど、一人が現実を受け入れ泣きだす。それが呼び水となり、周りに広がっていく。私は必死であやそうとするけどおさまらない。今、先生はいない。
この幼稚園は教室を年齢ごとに分けている。0〜2歳児、3歳児、4歳児、5歳児となっていいて。私が手伝っているのが5歳児で他の0〜4歳児は公園に遊びに行っている。なんで5歳児だけおいていくの?と先生に聞くと、好奇心旺盛で運動能力も上がっている5歳児のめんどうを見るには先生の大半が必要で、だから今日は0〜4歳児、明日は5歳児と分けているらしい。
だから、幼稚園は普段より人が少ない。でも、ちゃんと幼稚園に先生も残っているんだけど、二人いるうちの一人は今日5歳児のみんなが食べるおやつが切れていることに気づき、買いに行き。もう一人の先生は急に体調を崩した園児を病院に連れて行った。
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