stay night
04Wahrer Name
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夕璃は同じ境遇の人だと思ったが、その考えをやめた。
「あれが聖杯じゃないの? 破壊したら出てきたんでしょ?」
確かにと頷く二人に対し、夕璃は立ち上がった。
「士郎さん。勝負しよう。勝ったら士郎さんの質問に何でも答えてあげるよ。ストライカーのこと以外なら」
「いいぜ。お前が勝ったらセイバーのこと以外で質問に答えてやる」
靴を履いて外に出ると、凛とアーチャーが観戦しに来た。
「衛宮士郎。貴様に奴を倒すことができるか?」
「どういう意味だ? アーチャー」
皮肉気に言っているが、アーチャーは一度夕璃の戦闘を見ている。
「奴はサーヴァント並みに強いぞ?」
試合が始まると同時に血で槍を作成。
早々に切りかかった。
「なっ!?」
投影した剣で槍を防ぐが、夕璃は槍の形状を変えると一気に踏み込んだ。
槍は夕璃の拳を覆い、硬化した。
「せい!」
投影した剣を粉々に砕いてそのまま士郎を殴り飛ばす。
「夕璃! その魔術の使用、だめ!」
「少しなら大丈夫だよ」
ストライカーの言葉を全員が気にしながらも、夕璃は血を剣に変えて士郎に襲い掛かった。
「はぁ!」
士郎が夫婦剣を投影させると、夕璃は血を槍に戻した。
そして突撃していき、夫婦剣の一撃を左腕で止めた。
「なっ!?」
鮮血が迸り、夕璃の左腕が切断される。
ただし右腕にある槍は残っているのだ。
「俺の勝ち」
士郎の首に矛先を当てると、勝敗が決まる。
「お前腕を!?」
「これですか?」
両手を差し出すと、その場にいたストライカー以外の全員が驚愕する。
しかしストライカーだけは無言で夕璃に近づくと、槍の柄で夕璃の頭を殴った。
「っ〜」
「使用禁止。もう二度と使っちゃダメ。封印しようか?」
ストライカーの言葉に対し、夕璃は無言で黙り込んだ。
「言ったはず。使えば、夢から戻れなくなる」
夢から戻れない。
だとしたらと考えた凛の頭に、ストライカーと同じ考えが生まれた。
「もしかして、いや。もしかしなくても夢が固有結界? それで怪我を夢に変換してるって言うの!?」
驚く凜に意味が分からない士郎は頭を傾げた。
「いい? 夢に変換してるってことは、それは全てを夢に変える能力と考えられるわ。全てを夢に変える能力を多用して出るように現実に現れやすくなれば、彼は夢の中に閉じ込められる。もっと悪ければ、彼自身の存在も夢に返還されてしまうのよ!?」
絶句する士郎は夕璃を見るが、夕璃は何も言わない。
「ユーリ! 貴方はそれでいいのですか!?」
「別に。自分が決めた道だよ? それを進んでるだけ。後悔はあるけど、戻りたいって思ったら自分が信じてきた正義がなくなっちゃう。それは自分だけじゃなくて、ストライカーを裏切るって結果になっちゃうから」
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