stay night
04Wahrer Name
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ことを考えると、中々落ち着けなくてね」
心のどこかでは既にストライカーのことが好きと認めている自分がいるのだが、それを言葉にすることはできなかった。
「優しい」
ストライカーは今、水色のワンピース姿となっている。
霊体化させるのを夕璃がやめたからだ。
ストライカーは生前檻の中で過ごしていたため世界というものを知らない。
だからこそ夕璃は世界を知ってもらおうと、霊体化させるのをやめているのだ。
「っ」
息を飲む声が聞こえて、夕璃が振り向くとそこには凛とその同盟者である衛宮士郎がいた。
「あんた、こんなところで何してるの? というか、サーヴァントを霊体化させないなんて馬鹿なの?」
嘲笑うかのように言う凛に対して、夕璃は怒りに染まった瞳を向けた。
「ストライカーのことを何も知らない人が、口を出すな」
今までのような畏まった話し方ではなく、完全な命令形の言葉に凛は押された。
士郎も思うところがあるのか、強気な姿勢になる。
「マスター、殺す?」
「いいよ。ストライカーはもう殺さなくていい。殺すじゃなくて勝つでいいんだ」
ストライカーの頭を撫でてから、夕璃は本を持って立ち上がる。
「もう話かけないでください」
「待ってくれ」
士郎の声に夕璃は立ち止まる。
「何ですか?」
「君は聖杯に何を望むんだ?」
その言葉に対して、夕璃は今までとは違う慈愛の表情に変化した。
「全てのサーヴァントがこの平和な世界で暮らせますように」
立ち去ろうとする夕璃に対し、士郎はその右手を掴んだ。
「どうしてその願いにしたんだ!? 俺は迷ってるんだ。セイバーの願いを叶えたいけど、自分の願いが決まってなくて」
「知らないですよ。というかセイバーって誰ですか?」
士郎に飲まれた夕璃は、そのまま話を聞くために士郎の家に連行された。
「士郎……誰ですか?」
「ストライカーのマスター。仞凪夕璃君だ」
その言葉にセイバーは剣を構えて夕璃を睨みつける。
「やめろセイバー。夕璃は俺と話すために来たんだ」
「訂正してください。話したくもなかったのに図書館にいた俺を引っ張ってきたに」
夕璃は完全に乗り気ではないのだが、ここで逃げ出せば二体のサーヴァントを相手にしなければならなくなる。
だから抵抗しないのだ。
「ではユーリと。貴方は聖杯に何を望むのです?」
「その話ばかり。自分が願いたいものを願えばいいじゃん。第一、聖杯って何? もしかしてあの泥?」
泥という言葉に、士郎とセイバーが反応した。
「泥って、十年前のあの?」
「話は聞いています。聖杯戦争の時ですね。ちなみに私が令呪を使われて破壊しました」
「もしかして士郎さんも泥を?」
「俺は親父のおかげで生き延びたんだ。確か」
話を聞いて
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