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Fate/DreamFantom
stay night
01Anfang
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ぅ」
 走り終えた夕璃は学校に行く支度をすると、朝食を簡単に作ってから学校に向かう。
 実は夕璃を世話してくれる人物は誰一人としていない。
 本当ならば親戚のおばさんが世話をしてくれる予定になっていたのだが、一人だけ生き残った気味が悪い子供ということで何もしないで放置している。
 だから全てのことを自分でやっているので、夕璃の家事スキルは相当なものとなっている。
「おはよう」
 クラスに入ると色々な友達から挨拶を貰い、それに一度一度返してから席に座る。
 それから家事に手を取られてできない予習をやり、授業に備えるのだ。
 いつもの学校生活。
 いつもの生活。
 それだったはずなのに、全ては放課後に変わった。
「痛っ!?」
 帰宅途中に自身の左甲に現れた紋章。
 それが全ての始まりだった。
「なに、これ……」
「あんた、マスターなの?」
 その声に気付いて見上げると、そこには赤い服を着た女子がいた。
「誰……ですか? というか、マスター?」
「惚けているのか本当なのか知らないけど、令呪があるということはそういうことよね」
 その隣に現れる赤い外套を見て、夕璃はぞっとした。
 自分とはかけ離れた存在のような気がして、夕璃はかなり動揺していた。
「どうやら彼は相手との実力差くらいわかる人物らしい」
「やばいよね、これ」
 逃げ出そうとする夕璃を見た凛は追いかけるように命ずるが、アーチャーが律した。
「待て凛。今は追撃するよりも、奴がサーヴァントを召喚するもしくは霊体化を解除させるまで待ったほうがいい」
「そうね。じゃあアーチャー、よろしく」
「まったく人遣いが荒いマスターだ」
 アーチャーが姿を消すと同時に、陰からそっと見守る姿があった。
「そろそろ本題を切り出してやるとするか」
 それは愉悦を浮かべた綺礼だった。



 逃げ切った夕璃は上がった息を整えてから自宅の一室に入っていた。
「なんかやばかったなぁ……」
 何か得体の知れない恐怖を持った赤い外套のアーチャー。
 そして夕璃は何かを感じていた。
 同時に、インターホンが押された。
 出たくはないのだが、出ないのは相手に悪い。
「今出ます」
 出た先にいたのは、無表情の神父こと綺礼だった。
「綺礼さん?」
「やぁ夕璃君。少し話をしたいのだが?」
「いいですよ」
 綺礼を案内すると、リビングでお茶を入れて出した。
「すまないな。今日は聖杯戦争というものについて話に来た」
「聖杯戦争?」
 一口お茶を口に含んで喉を潤してから、綺礼は饒舌でその聖杯戦争について話し始めた。
 サーヴァントを用いて敵マスターを倒す魔術師による戦争。
 それが聖杯戦争だと。
「魔術師……。そんなものが存在していただなんて」
「君もその
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