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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第317話】
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…!!」


 叫びと共に放たれた手裏剣――というか確か飛刀と呼ばれるものを放つ鈴音。

 自然と横にステップして避けると、先ほどいた場所に突き刺さる飛刀を見て軽く背筋が凍り付く思いだった。


「……本物じゃないのか、これ?」

「……そう思うなら、早く渡した方が懸命よ? 今なら怪我しなくて済むしね!」


 再度スカートを捲ろうと行動する鈴音――。


「チィッ! 悪いがそんな物騒な物は没収だ!」

「え? ――きゃんっ……!」


 間合いを詰めると同時に、鈴音を赤絨毯の上で押し倒す。


「ば、バカっ! 何押し倒して――」

「悪いが、そんな危ないものを使わせてお前に怪我される方が堪らないからな。 ……ちょっと失礼」

「え? ――わっ!? ば、バカ……スカートの中に手を――んんっ!!」


 恥ずかしいのを我慢しつつ、鈴音の内股をまさぐると共に飛刀を全て没収――因みに、各種テーブルのおかげでほぼ死角となっていて、行為は見えない筈だ。

 まさぐられる度に、鈴音の喘ぐ声が漏れるも、本人も必死で我慢してるのか涙目で睨み付けてきた。


「……はい、これは没収な?」


 そう言って直ぐ様離れ、奪い取った飛刀を舞踏会エリアの窓から投げ捨てる。


「〜〜〜〜!! せ、責任取りなさいよ、バカァッ!!」

「おっと!」


 涙目のまま、連続で蹴り技を繰り出す鈴音に対して、俺はバックステップで避けつつ、何も飾られていないテーブルに宙返りして上る。


「悪いな、王冠渡せば学食フリーパスが無くなっちゃうから、諦めてくれよなッ!」

「こ、こらー! 待ちなさいよバカーッ!!」


 テーブルを足場にし、二階へと登る――下では鈴音の叫ぶ声が聞こえるが、無視して俺はそのまま二階のテラスへと躍り出た。


「うふふ。 御待ちしてましたわ、ヒルトさん」

「……セシリア?」


 テラスへ出た俺の前に立ち塞がったのは、セシリア・オルコットだった。

 その手には長大な狙撃銃を持ち、腰にはレイピアらしき物を携えていた。


「……セシリア、聞いてもいいか?」

「ええ。 何かしら?」

「……その物騒な物はなんだ?」

「うふふ。 狙撃銃とレイピアですわよ? ……ですが、ヒルトさんに狙撃銃は使いません。 ……貴方に怪我をさせたくありませんもの」


 ……とは言うが、明らかにレイピアも怪我しそうな気がするのだが。

 セットの壁に狙撃銃を立て掛け、腰に携えたレイピアを抜くと――。


「ヒルトさん、大人しく王冠をわたくしに渡してくださらないかしら? そうすれば、わたくしも貴方も、二人にとって幸せな結末になります
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