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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第316話】
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そう言って鼻先をツンッと指でつつく楯無さん。

 からかってるのだろう、一々狼狽していたらキリがない。


「それで、出し物って一体何でしょうか?」

「ウフフ。 演劇よ? え・ん・げ・き♪」


 口元を扇子で隠すように覆い、微笑む楯無さん。

 ……生徒会主催の演劇なのだから、多分普通のとは違うような気もするが。


「……演劇って、普通のですか?」


 当たり障りのない質問に、小さく首を振ると口を開く――。


「ううん。 観客参加型演劇よ?」

「観客参加型?」


 ……観客も演劇のキャラの一部ということだろうか?


「まあとにかく、君はおねーさんと一緒に来なさいな♪ 織斑君、君もね? はい、決定!」

「は? な、何で俺まで――」


 聞こえていた様で軽く反論する一夏だが、それに割って入ったのがシャルだ。


「あ、あのー、先輩? た、確かにヒルトは指名があまり無いんですけど、やっぱり連れて行かれると色々困るんですが……。 ほ、ほら、クラス代表ですし!」


 最もらしい意見で俺を連れて行かせまいとするシャル――と。


「……別に有坂なら居ても居なくても問題はないだろ、デュノア」

「……そんなこと無いよ。 ヒルトって、皆のフォローとかさりげなくやってるんだから。 雑務班のやりたがらないゴミ出しも進んでやってるんだし」

「……ふん、その程度、誰にでも出来るだろう?」

「……なら篠ノ之さん、ヒルトの代わりにゴミ出ししてきたら?」

「断る。 私はあいつと違って忙しいのでな」


 そう言ってスカートを翻してまた戻る篠ノ之に、シャルは複雑そうな眼差しで見つめてから再度楯無さんを見て。


「と、とにかく、ヒルトを連れて行かれると僕達が困るので……」

「あら? ……シャルロットちゃん、少し耳を貸してくれる?」

「ふぇ……?」


 いきなりの事に、首を傾けるシャル――楯無さんはシャルに近づくと、そっと耳打ちで何かを伝えている。


「……という訳で、綺麗なドレス、着せてあげるわよ?」

「あ、あぅ……ど、どうしよう……。 ぼ、僕がお姫様でヒルトが……」


 内容がわからないのだが、何故か恍惚とした表情でシャルは真っ直ぐと俺を見つめてきた。


「……うぅ……。 わ、わかりました。 一演目だけなら、僕も抜けられますので」

「うふふ。 シャルロットちゃんは素直で可愛いわね〜。 ……でも、もう少し配役が欲しいわね〜。 って訳で、セシリアちゃんにラウラちゃん、美冬ちゃんと未来ちゃん、序でに箒ちゃんも耳を貸してくれるかしら?」


 そう言って手招きし、まずはセシリアに耳打ち――と。

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