第五十九話 ハロウィンの衣装その四
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「ちょっとな」
「何かハロウィンらしくない?」
「五人一緒だと」
「ハロウィンって各自がそれぞれ別々の服着てるだろ」
美優はこう琴乃と彩夏に応えた。
「五人いたら五人それぞれでさ」
「じゃあ五人共メフィストとかはね」
「違うのね
「ハロウィンっぽくないよな」
美優はこう言った、真剣に考える顔で。
「だからな、滅茶苦茶ある中で五人それぞれが違う服を着るか」
「五人がなのね」
「それぞれなの」
今度は里香と景子が応える。
「そう言ってもね」
「ちょっとね」
「困るよな、どうすりゃいいんだ?」
美優も他の面々も帰り道のすっかり暗くなった秋の道を歩きながら考える。
「今回だけは」
「ううん、それなら」
ここで言ったのは琴乃だった、彼女も考えている顔だ。
「妖怪やお化けの名前を書いてそれを箱に入れて引いて決める?」
「くじ引きか」
「そうすれば一人がそれになって」
「それでだよな」
「そう、重なることもないし」
それにだというのだ。
「各自選べるでしょ」
「だよな、ただな」
美優は琴乃の提案に頷いた、しかし全面的な賛成ではなくその提案に考える顔でこう返したのだった。やはり考える顔で。
「和洋ミックスはな」
「それはなのね」
「ちょっとあれだよな」
こう琴乃に言うのだった。
「何か違うよな」
「確かにね、それはね」
「どっちかにするか」
「日本にするか欧州にするか」
「中国風もな」
「どれか一つね」
「日本なら日本にしねえ?」
これが美優の出した条件だった。
「ヨーロッパならヨーロッパでな」
「そうね、それがいいわね」
「皆もそれでいいか?」
美優は琴乃の言葉を受けたうえで他の三人に問うた。
「日本なら日本でな」
「ヨーロッパならヨーロッパ」
「中国なら中国ね」
「それで統一してくじ引きをしてな」
そうしてだというのだ。
「どの格好にするか決めるか」
「問題は何処にするかよね」
景子が腕を組んで述べた。
「あっ、とりあえず私琴乃ちゃんとい美優ちゃんの案に賛成ね」
「私も」
「私もよ」
里香と彩夏も賛成だった、くじ引きとそのやり方はこれで決まった。
だが、だ。話はそれで終わらずにだった。景子も言うのだ。
「ただ、何処にするか」
「それが問題よね」
「何処の妖怪にするか」
「そう、何処かだよ」
またこう言う美優だった。
「日本の場合は北海道から沖縄な」
「じゃあコロポックルからキジムナーまでね」
景子はその地域を聞いてそうして述べた。
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