暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
11.波乱の訪れ
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きだした。彩斗は慌てて彼女に背を向けた。
浅葱の行動に激しく動揺する彩斗。そのなかも放課後の静かな美術室に、浅葱の着替える衣擦れの音が響く。
もういいわよ、と浅葱に肩を叩かれ、振り返る。
「ほら、これで文句ないでしょ」
ファミレスの店員の制服のような衣装を着た浅葱が彩斗に見せびらかすようにくるりと回る。胸の膨らみを強調した衣装のフリフリのエプロンに、不自然なほど短いスカートとニーハイソックス。
「……なぜ、ウェイトレス?」
「あんたこういうの好きでしょ?」
「どこソースだよ、その情報」
「だって、あんたと古城、いっつもファミレスの店員さん、ガン見してるし」
「してねぇよ!」
こんな会話するのにも疲れてきた彩斗は、浅葱から渡された執事服へと渋々着替える。
「へぇ〜、予想以上に似合ってるわね、彩斗」
「まったく嬉しくない」
鏡で見た自分の姿は、まるで古き時代の吸血鬼を連想させるような衣装に再び、ため息が漏れる。
──カシャ!
突如、響いた乾いた音に彩斗は嫌な予感がする。
「あ、浅葱、なにしてんだ?」
「ん? 作画参考資料?」
「今すぐ消すんだ」
彩斗の言葉が聞こえてないように浅葱は、連写機能をフルで使用してシャッター音を連発させる。
「だって、彩斗のこんなレアシーン滅多に見られないでしょ。それにあんたその格好の方が普通にかっこいいわよ」
「んなことしらねぇよ! とりあえず消せ!」
それでも撮り続ける浅葱に彩斗も対抗手段に出る。自らのスマートフォンを取り出し、浅葱のウェイトレス姿を撮りかえす。
「ちょ……なんであんたまで撮るわけ!?」
「等価交換のためにな。お前のこの写真をばら撒かれたくなかったら俺の写真を今すぐ消すんだ」
スマートフォンの液晶につい先ほど撮った浅葱の写真を見せつけながら言う。
「別にいいわよ」
即答された予想外の回答に三度彩斗は戸惑う。
「あんたがその写真をばら撒いたところでなんでこんな写真を持ってるんだって、騒がれて困るのは、彩斗の方でしょう」
「そ、それは……」
正論を言われてなにも反論ができない彩斗に悪戯をするような笑みを浮かべて、いきなり彩斗の隣に立ち、浅葱が自らの腕を搦めてきた。そのまま全身を密着させて、ふたりのツーショットを撮影する。
「これでチャラでいいでしょ?」
「……なんのことだ?」
「……そ、その、あんたが……」
ほとんど聞き取れないくらいの小さな声で、浅葱がぼそりと呟く。
その直後、校舎内に長いチャイムが鳴り始めた。下校時刻のチャイムだ。チャイムに遮られ、結局聞くことができなかった。
「で
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