第十一話
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「な、何だ?この書類の山……」
「?イッセーさん、何だかうめき声が聞こえてきませんか?」
「うめき声?」
耳を澄ませてみると……なるほど、確かに聞こえてくる。
「つうか!これって匙の声じゃ!?匙、待ってろ!」
俺は書類を破らないように慎重にどかす。
「お、おう……イッセー……」
そこにはやつれた姿の匙がいた。
「さ、匙……何があったんだ?」
「しょ、書類が……終わんねぇんだよ……終わらせようと頑張ってるけど……どんどん増えていくし……」
「ああ……つまりはソーナ会長は応援要員が欲しいと……」
それで俺たちに声を掛けたって訳ね。
「わかったよ、それじゃ俺たちも奮闘するから。お前も頑張れよ?」
「お、おう……」
「はぁ……はぁ……今、どん位終わった?」
「えっとね……三分の二は越えたよ」
「まだ三分の二かよ……」
俺は机に顔を突っ伏す。
「そんな事をしている暇があるなら働いてくれ、イッセー」
そんな声が聞こえてくる方向を見てみると……ゼノヴィアがアーシアがやる分の書類を持っている。
俺たちは役割分担で俺とアーシアが書類処理、ゼノヴィアとヴァーリが書類を持ってくる係である。
「ありがとうございます、イッセー君。貴方のおかげで作業が滞りなく進んでいますから」
そう言いながらも手を休める事なく書類を処理していくソーナ会長。
ていうか動かしている手が増えているように見えてきた……え?ちょっと待ってください。残像ですか?若干残像のような物がが見え始めているのですが……どんだけ早くすれば残像が見えるんですか?是非とも教えてもらいたいですね。
「ふぅ……これで夏休みにしておく書類は全て終わりです……それではもう一つの案件に入りましょう」
あ、そういえばもう一つ要件があるって言ってたな。
「私たちは夏休みを利用して冥界に帰る事になっています」
「……ん?それと俺たちに何の関係が?」
「あなた達には私たちと共に冥界に来ていただきたいのです」
「え……えぇえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
アーシアがめっちゃ驚いている。
まあ、他の皆も声に出さないだけで驚いている事だろう。
かくいう俺だって驚いている。
「姉様がイッセー君達を連れてきてほしいとうるさいのです。それとサーゼクス様にはこちらでお連れするからと言ってあるそうですよ?」
「ああ、あの人たちは勝手に……」
「まあまあ、いいじゃねぇか!」
「……何の脈絡もなく来るのやめてくれませんか?アザゼルさん」
「何だ?俺がここにいちゃいけないってのか?」
まあ、皆状況がわからないだろうから
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