2ndA‘s編
第三話〜夜の逃走劇〜
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の知人がそこにいた。
(シグナムさん?)
その穴の向こう側、夜空に浮かんでいるのは騎士甲冑をまとった烈火の将その人であった。
ライの思考は今度こそ疑問符で埋め尽くされる。
だが、その疑問に答えがもたらされる事はもちろん無く、その代わりにもたらされたのは追ってからの言葉であった。
「見つけたぞ」
声のした方に首を向けるとそこにはハンマーを肩に乗せ、ライ達三人を見下ろすヴィータの姿があった。目だけを動かし、確認するとシグナムも降りてきておりそのままヴィータと合流しようとしていた。
「今度こそ逃げらんねーぞ」
(どうする、一人ならまだしもこの二人相手は分が悪すぎる)
内心で一般人を装った事を後悔しながらも、目の前の現実を受け入れる。
「大人しくしてんのなら危害は加えねー」
そう言いヴィータは片手を掲げる。するとその手の平で浮かぶように一冊の本が転送されてきた。
(あれは確か……蒼天の書?)
記憶の中にあるユニゾンデバイスが使用するデバイスの姿がライの脳裏を過ぎる。
その本を取り出し、こちらに向き直ったことでライは今度こそ覚悟を決めようとする。
(こうなったら――――)
こちらに向けてその本を向けようとするヴィータの動きをよく観察し、意表を突けるようにじっと待つ。そして互いがその口を開こうとした瞬間、意外なところから横槍が入った。
「タイムアップだ。ヴィータ、今日は引くぞ」
止めたのは意外なことにこれまで静観をしていたシグナムである。
「管理局が嗅ぎつけたようだ。シャマルから連絡が来た。こちらに向かっているそうだ」
「!…………畜生っ」
小さく歯噛みし、こちらを鋭く睨みつけてくるヴィータ。その瞳はどこか欲しいモノが手に入らない子供の様に見えた。
逡巡は一瞬。二人はそのまま飛行魔法を使い去っていく。見逃してくれたことで一気に緊張感が解け思いっきり息を吐きそうになり、そして頭の中で様々な考えが働いていく。そして二人の奇怪な行動も気になったが、ライはとにかくなのはとフェイト(と思われる)二人の少女の手当てをすることから始めようと考えた。
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