暁 〜小説投稿サイト〜
少年少女の戦極時代U
オリジナル/未来パラレル編
最終分節 はじまる世界
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上唯一の「植物」だ。

 ヘルヘイムの植物による地球侵食が完了し、地球は新たなヘルヘイムとなった。生き物はインベスだけになった。

 侵略に抗おうとした人間たちもいたし、一時的にそれは成功したが、果実が現実世界に生った時点で人の終わりを食い止めるなど不可能だったのだ。

 結局、彼らが命がけで守った人類は、果実の誘惑に負け、こうして1年と経たずして、誰も彼もがインベスとなった。
 人類がヘルヘイムに抗い始めてからちょうど10年目の出来事だった。

 駆紋戒斗は晴れてインベスの支配者として、この惑星の頂点に君臨した。インベス化を免れなかった弱者を統べる強者となった。

 そして、もはや地球は侵略される側ではなく、侵略する側である。
 世界そのものさえも、戒斗が望む形に変革されて、不平不満などあるはずもない。

 見下ろす。地面を覆い尽くす大量のインベス。その中にかつての仲間が含まれていようが今の彼は酌量しない、するだけの価値もない。

 戒斗は杖剣を振り、標す。大樹を中心に数多開いたクラックの向こう側を。
 合わせてインベスの大群が咆哮し、クラックを跨いで次の世界を目指し始める。


 ――次はどれだけ保つだろうな。


 笑みを、知らずの内に浮かべる。ここではない異界か惑星かは、どこまで戒斗の“侵略”に抗い、強者を残すだろう。その強者は戒斗より強いだろうか。夢想するだけで愉快さが込み上げた。

 戒斗も自らクラックの一つを潜り、新世界へ踏み出した。






 そして、彼は告げる。


「貴様は今、運命を選ぼうとしている」
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