―闇魔界と振り子―
[11/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
そして《カップ・オブ・エース》で良いカードを引いたのか、オルネッラは狂ったように笑いだした後、こちらを見てニヤリと笑みを浮かべた。
「ヘヘヘ……驚かせてやるぜぇ異世界人! 手札から《時読みの魔術師》と《星読みの魔術師》を、それぞれPゾーンに置くぅ!」
オルネッラが装着していた旧型のデュエルディスク。その両側から新たにカードを置くスペースが現れ、そこにオルネッラが手札から二枚のカードを置く。
「なっ……!?」
俺の疑問の声とともにデュエルディスクから浮かび上がっていく、黒い魔術師が浮かぶ赤色の光と白い魔術師が浮かぶ青色の光。どちらも対照的で美しく、その境界線から白い光が溢れ出す……!
「ペンデュラム召喚! 現れろ《魔装戦士》たちぃ! 《ハウンド・ドラゴン》!」
――そして白い境界線から現れたのは、四属性を持つ魔装戦士たちと、それに付き従う黒き竜《ハウンド・ドラゴン》。まるで幻でも見たかのように一瞬にして五体のモンスターが、オルネッラのフィールドへと集結していた。
「ペンデュラム……召喚……!?」
オルネッラが言うところのペンデュラム召喚は終わったようで、デュエルディスクから現れていた赤色の光と青色の光、白い境界線は収束して消えていく。だが、新たにデュエルディスクから現れた『Pゾーン』は健在であり、そこに発動している二体の《魔術師》もまた、健在である。
未知なる召喚方法に言葉も出ない俺が傑作だったのか、オルネッラが再び狂ったように笑いだす。その笑いようはこちらを挑発しているようで、自然とオルネッラを睨みつけてしまう。
「驚いてるなぁ! 良い表情してるなぁ! ――カードを一枚伏せ、ターンエンドだぁ!」
《カップ・オブ・エース》の効果の二枚ドローにより、《グリード》の効果が発動するが、《一時休戦》によって今この瞬間まで効果ダメージはない。
「……俺のターン。ドロー!」
カードを引いて次なる行動へと入るより早く、今起きたことを冷静に考える。オルネッラの挑発しているような、狂った笑い声を耳からシャットアウト。
《ペンデュラム召喚》。始めてみることになる未知の召喚方法だったが、本当に幻のようにそこにいない訳ではなければ……未知の場所から出て来たという訳ではない。オルネッラは、溜め込んでいた手札を全て消費しており、その《ペンデュラム召喚》をされたモンスターは、恐らくは全て普通のモンスターだろう。ならば、あのモンスターたちは手札から召喚されたのだと分かる。魔装戦士たちだけならば、魔装戦士たち自身の効果だとも考えるのだが、《ハウンド・ドラゴン》の存在からその可能性は低い。
情報量が少なすぎて何が分かる訳でもないが、とにかく、未知の召喚方法だろうと、ルールに則っ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ