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駄目親父としっかり娘の珍道中
第52話 花粉症対策は万全に!
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。自分自身のミスのせいで皆を巻き込んでしまったという罪悪感も+されてるらしく更に青ざめている。
「ど、どうしましょう銀さん。このまま僕達……」
「焦るな新八。こう言うホラー演出の際に一番死亡フラグを引き易いのは絶体絶命の時にいの一番にパニくる奴って相場が決まってるんだよ」
 最もらしい事を述べる銀時。古今東西パニックホラー物の映画で一番最初に死ぬ人のタイプと言えば極限状態でパニックを起こす人、もしくは一人で単独行動をするKYな奴。そうと決まっているのだ。
 なので、死亡フラグを引かない一番の方法はパニックを起こさない事だったりする。
「ねぇねぇ、お父さん」
「あん?」
 ふと、隣で座っていたなのはが銀時の裾を引っ張っている。顔を見ると少しはにかんでおり俯いている。それに、何故かもじもじしている仕草をしていた。
「んだよ、まさかトイレ行きたいとかってんじゃねぇだろうな?」
「違うんだけど……ちょっと、此処の雰囲気が怖くなっちゃって……」
 ヘドロは平気なようだが、どうやらこの薄暗い佇まいがお子様にはちょっぴり怖くなってしまったのだろう。元々暗がりを怖がるなのはだ。薄暗い部屋は絶好の恐怖スポットだったのだろう。
「どうしましたか、お嬢ちゃん? 厠でしたら此処を出て突き当たりを右ですよ」
 そう言って振り返った際、ヘドロの両目がギラリと恐ろしげに輝いた。その眼光を見た刹那、なのはの中で築かれていた優しいヘドロのイメージが音を立てて崩れていくのが見て取れた。
「あ、あうあうあうあうあう……」
「馬鹿! さっきも言っただろうが! パニックホラー物で真っ先にパニックに陥った奴が一番先に死ぬんだよ! お前映画で一番最初に死ぬ殉職キャラになりてぇのか?」
「だって、だってぇ!」
 銀時の腕に縋りつき、半泣きの状態になったなのはが言葉を詰まらせながら見ていた。頭の中に出来上がった恐怖をどう表現すれば良いのか分からなくなってしまったのだ。
「あ、あのぉ……ヘドロさん、折角お食事をご馳走してくれるのは嬉しいんですけど、実は僕達これから予定がありまして、すぐに向わないといけないんですよ」
「え? そうなんですか! そうとは知らずに呼び止めてしまって申し訳ない事をしてしまいましたね。いやぁ、僕ってば人が尋ねてきてくれたもんだからつい舞い上がっちゃって―――」
 気恥ずかしそうに頬を掻く仕草をしているヘドロ。だが、その眼光は銀時達を見ている。まるで【俺の飯よりそっちの方が大事なのか貴様等? 今夜の晩飯に貴様等を使ってやろうか?】と言ってるかの様であった。
(不味い、めっさ不味い! 何か言い訳っぽい事言って逃げようとしたけど、逆に逃げられない雰囲気になっちまった!)
(どうするんですか? このままじゃ僕達確実に今夜の晩御飯の主食にされちゃいますよ
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