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駄目親父としっかり娘の珍道中
第52話 花粉症対策は万全に!
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じゃん! もうゴールしても良いじゃん!」
 要するに怖くなって逃げてきただけの様だ。まぁ、生きていただけでも有り難いのだが。
「お父さん! 無事だったんだね? 生きてまた会えるって絶対信じてたよぉ」
「なのはちゃん、感動の再会みたいだけど、結局銀さん何もしてないからね。ただ怖くなって逃げてきただけだからね」
 付け足すように言う新八。とにもかくにもこれで万事屋四人が無事勢揃いしたのは喜ばしいと言える。
 そんな折、またしても背後から近づいてくる足音が聞こえた。地響きと共に凄まじい足音が聞こえて来る。人間のそれとは掛け離れた重々しく恐ろしげのある足音。
 その足音を聞いた四人は一斉に振り返る。其処には恐ろしい形相のまま銀時達を追い掛けるヘドロの姿があった。両手を直角に曲げて激しく振りながら恐ろしいスピードで追い駆けてくるヘドロが四人の視界に映った。
「ぎいいいやああああ! 逃げろてめぇら! 捕まったら俺達全員お陀仏だぞぉ!」
「そんなの嫌アルよ! 私は死にたくないからお前等私の身代わりになって死ぬヨロシ!」
「ざけんなコラ! 寧ろ俺が死にたくないから俺を生かせてくれ! さっきあんだけ頑張ったんだからもう良いだろうがよぉ!」
 更にスピードアップして走る万事屋メンバー達。記憶にない通路をひたすら走り、とにかく外へ出ようと必死になって走っていた。ふと、走っている通路に違和感を覚える。
 見れば、それは平坦な道などではなく、昇り式になっている階段であった。つまり、四人は着実に上に向って進んでいる事になっているのだ。
「ちょっとぉぉぉ! 上に上ってるんですけどぉ! 僕達外に出たいんでしたよねぇ! 何で上に行ってるんですかぁ!」
「じゃぁテメェだけ下に下りろぉ! 俺達は上に上るけどなぁ!」
「やっぱ嫌ですぅ! 僕だけ死にたくないぃぃ!」
 結局そのまま上へ上へと上り続ける銀時達。その間、新八に抱えられる形でなのはは後ろから猛スピードで迫るヘドロを目撃する。大股で何段も階段をすっ飛ばして駆け上がってくる為に尋常じゃないスピードで登ってきているのだ。
「来てる! 来てるよぉヘドロさんがぁ!」
「んなこたぁ知ってんだよぉ! だからこうして捕まらないように俺達必死に逃げてるんだろうがぁ!」
「もう駄目ネ、此処はレディーファースト曰くお前等男達が捨て駒になって私達を生かすネ! それが男の最期の花道になるネ」
「冗談じゃねぇ! 俺は最期の最期まで醜くしぶとく生きてやるからなぁ!」
 喧々囂々しながらも必死に階段を駆け上っていく。一体何処まで続いているんだこの階段は?
 そんな新八達の疑問を払拭するかの様に目の前に明るく輝く扉が見えた。恐らく外へと続いている扉なのだろう。
 助かった。これでこの悪夢の巣窟から脱出出来るんだ。舞い上がる気持ち
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