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駄目親父としっかり娘の珍道中
第52話 花粉症対策は万全に!
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れよ。でねぇと父さん安心して戦えねぇだろう?」
 完全に泣きが入ってるなのはの頭にそっと手をやりながら銀時は囁くように言った。こう言う場合は笑顔で見送ってくれた場合の方が寧ろ戦いやすかったりする。まぁ、それで勝てるかどうかは別問題だったりする。下手すると死亡フラグになりそうだし。
「銀さん、僕達も一緒に戦いますよ! 全員で掛かれば勝機が見えるかも知れないじゃないですか!」
「馬鹿野郎! 此処で全員共倒れしたら、誰が地球の危機を江戸に報せるんだ! お前等は俺の屍を越えて、明日を生きるんだよ!」
「ぎ、銀ちゃん……マジ泣かせる台詞ヨ。私思わずホロリと来ちゃったアル」
 見れば、新八と神楽もまた涙を流していた。それ程までに銀時の台詞は心にグッと来たのだろう。
「お前等、此処は俺に任せて早く行け! 江戸を頼むぞ!」
「やだやだぁ! 此処でお別れなんて私絶対にやだよ! そんなの、そんなの―――」
「新八、こいつを連れて早く逃げろ! こう引っ付かれたんじゃ禄に戦えない!」
「分かりました! 銀さん、貴方の事一生忘れませんよ!」
 並だを拭い去り、銀時にしがみついてるなのはを強引に振り解いた。その際に激しく暴れられたが今はそんな事を気にしている余裕はない。
 即座に新八と神楽は愚図るなのはを連れて部屋から外へ向けて全力疾走を始めた。
「あれ? どうしたんですか皆さん。何か騒がしいようですが」
「ヘドロォォォ! 俺の命と侍の意地を賭けて、てめぇをぉぉぉぉ―――」
 怒号と共に飛翔し、銀時は木刀の一閃を放った。




     ***




 薄暗く長い通路を新八達はひたすらに走っていた。涙を拭い、銀時が残した明日に向ってひたすらに走り続けていたのだ。
「うぅっ……お父さんが、お父さんがぁ……」
「御免よ、僕が弱いせいで銀さんを……すみません、銀さん!」
「銀ちゃん、銀ちゃんの事は忘れないよ! 銀ちゃんの分までこの小説を盛り上げていくから安心して成仏してよ」
 等と三人共銀時が既に故人になっているのかと思い込んでいる様子だった。まぁ、あれだけフラグを立てればそう誤解しないでもないのだが。
 背後から猛スピードで何かが近づいてくるのを感じた。まさか、もう銀時を片付けたヘドロが追い駆けてきたと言うのだろうか?
 となれば、銀時の死は正に犬死。全くの無駄死に終わった事になる。悔しさに新八は歯噛みした。そして、後ろを振り向き、新八は見た。
 こちらに向って猛スピードで逃げてくる銀時の姿を。
「やっぱ怖いから無理いいいいいいいい!」
「おぉぉい! さっきまであんなカッコいい台詞吐いといて結局それかよ!」
「無理なもんは無理なんだよ! 銀さんこれでも一生懸命頑張ったんだよ! 必死こいて頑張ったんだよ! だからもう良い
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