TURN137 議会の腐敗その六
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「貿易により国家を動かしていく方がいいのです」
「では世界帝国の座は!世界の盟主の地位は!」
クロムウェルはこのことを問うた。
「それは!」
「最早世界帝国なぞただ名ばかりです」
既にだ、そうなっているというのだ。
「ドクツやソビエトの台頭を受け止められず太平洋も」
「所詮エイリスと比べれば小国ばかりではないですか」
「それも取るに足らない」
貴族達は彼等をそう捉えていた、所詮はそうした国々だと。彼等はまだ大戦前のエイリスの国力を基準にして考えているのだ。
「あの様な国々こそエイリスが主導すべきです」
「世界帝国の我等が」
「違います、その考えは驕りです」
「驕り!?」
「それだと仰るのですか」
「そうです、傲慢です」
ただのだ、それに過ぎないというのだ。
「そもそも世界はこの世界の全ての者、全ての国のものです。エイリスのものではなかったのです」
「エイリスが導くものでも」
「違うと」
「エイリスは確かに長い間世界の盟主でした」
セーラもこのことは認める、だがそれは既に過去のものだった。
「しかしその繁栄と栄華は先に話した様に植民地とその国々の民達を虐げるだけのものに過ぎないものでした」
「ですから植民地はです」
「我等に奉仕するだけの」
「それが傲慢です、世界帝国はその傲慢に過ぎないものになっています」
「だからだと」
「世界帝国、世界の盟主の座も」
「エイリスは降ります」
そうするというのだ。
「これからの世界はエイリスが主導するものではなく」
「ではどの国が世界を主導するのですか!」
クロムウェルがそのことを問うた。
「日本だというのですか」
「違います」
セーラはクロムウェルのその問いに首を横に振って答えた。
「どの国でもありません」
「日本でもないと」
「そうです、どの国でもないです」
そうだというのだ。
「世界はこれからは全ての国、全ての者がそれぞれ生きていき動いていくものです」
「だからですか」
「エイリスは」
「植民地、世界帝国の座も全て放棄し」
セーラはこのことをだ、再び宣言した。
「枢軸諸国と講和します、今よりこの一連の政策に対しての票決を取ります」
「反対!」
「反対だ!」
「私は反対しますぞ!」
「私もです!」
貴族達は一斉に反発を見せた、最早それが票決だった。
そのうえでだ、彼等はさらに口々に言うのだった。
「陛下、ご再考を!」
「こんなことはなりませぬぞ!」
「植民地も世界帝国の座もないエイリスなぞエイリスではありません!」
「ですから!」
特にクロムウェルがだった、特に。
こうだ、セーラに言う。
「陛下、若しご再考して頂けないなら」
「どうだというのですか?」
「我等にも考えが
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