悲しみを背負うには
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ナ!ペペル!何これ・・・!?みんな・・・」
「アンタ達!」
「何で・・・何でみんな消えちゃうの!?」
煙が消えるように、次々に人が消えていく。
ブレた映像のように。
その顔に、優しい笑顔を浮かべて。
「どうなってるんだ!?人が消えていく!」
「オイオイ・・・瞬間移動じゃなさそうだな!」
ヒビキが戸惑ったように叫び、アルカが周りに目を向ける。
基本何でも面白いと捉えるアルカだが、突然周りから人が消えたら面白いどころではないようだ。
「イヤよ!みんな・・・!消えちゃイヤ!」
「どうして何も言ってくれないの!?ねえっ!」
願う。
だが、その願いは届かない。
「騙していてすまなかったな。ウェンディ、ココロ」
ローバウルは微笑む。
「ギルドのメンバーは皆・・・ワシの作り出した幻じゃ・・・」
2人は目を見開いた。
その目に涙を浮かべて。
「何だとォ!?」
「人格を持つ幻だと!?」
「何という魔力なのだ!」
「しかもこの数を維持し続けてた・・・!?」
会話をしながらも消えていくメンバー達。
その全てが幻であるという事に、ナツ、リオン、ジュラ、ティアは目を見開いて驚愕し叫ぶ。
「ワシはニルヴァーナを見守る為に、この廃村に一人で住んでいた」
集落は廃村。
住んでいたのはローバウルだけ。
ローバウルは語る。
メンバー全員が幻のギルドをつくった訳を。
「7年前、1人の少年がワシの所に来た」
『この子達を預かってください』
その少年は、青い髪が特徴的だった。
顔の右側には赤い紋章がある。
その少年こそ・・・ウェンディ達を助けたというジェラールだった。
「少年のあまりに真っ直ぐな眼にワシはつい承諾してしまった。1人でいようと決めてたのにな・・・」
そう語るローバウルの脳裏。
流れるのは、預かったばかりの頃の3人の思い出だった。
『おじいちゃん、ここ・・・どこ?』
『魔法使う人が集まるっていう・・・ギルド、だよね?』
『こ・・・ここはじゃな・・・』
幼いウェンディとココロに問われ、ローバウルは答えに迷った。
『ジェラールさん、僕達をギルドに連れて行ってくれるって・・・』
じわ、と。
アランが呟くと同時に、3人の目に涙が浮かぶ。
それを見たローバウルは少し考え―――
『ギ・・・ギルドじゃよ!ここは魔導士のギルドじゃ!』
『『本当!?』』
『本当ですか!?』
『なぶら、外に出てみなさい。仲間達が待ってるよ』
「そして幻の仲間達を作り出した」
ローバウルは
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